ルイスもルイスに負けられん!?

 インフルエンザで隔離されていた広島フレッド・ルイス外野手(32=メッツ)が5日、春季日南キャンプに合流した。前日4日に、NFLスーパーボウルを自室で観戦。優勝したレーベンズのLBレイ・ルイス(37)に刺激を受けた。この日は野村謙二郎監督(46)が付きっきりで別メニュー調整。今日6日も休日返上で遅れを取り戻す。

 背番号41が初めてグラウンドに姿を現した。インフルエンザで隔離されていたルイスに、医師からの許可が下りたのは前日4日の午後。「窓から飛び出して、みんなと野球をしたい」と苦しい胸中を明かした助っ人が、解き放たれた。

 別メニューながら、野村監督を相手にメーン球場で最長40メートルのキャッチボールを行った。室内練習場に場所を移すと、10分間のティー打撃の後、指揮官がトスするボールを偶然にも背番号と同じ41スイング。病み上がりながら、初日からの遅れを取り戻すのに必死だった。

 心を駆り立てられていた。隔離されて4日目の朝、テレビ画面にはNFLスーパーボウルが映し出されていた。学生時代には自身もアメフットを経験。目にとまったのは、優勝したレーベンズのLBルイスだった。今季限りで引退を表明し、プレーオフから復帰したチームリーダーのプレーする姿と、発する言葉に感銘を受けた。

 「スポーツへの取り組み方、勝負師としてのモチベーションの高さが通ずるものがある。リーダーとして、チーム一丸となって取り組み、そのコメントに感銘を受ける。スポーツは違うけど、モチベーションになった」

 動きの1つ1つを直接目で確認した野村監督の期待は大きい。「今日は調整。次からは打撃回りも参加すると思う。エルドレッドのパワータイプとは違って、ルイスはリードオフマンタイプだね」。指揮官は1番及び、3番での起用を思い描く。その思いに応えるためにも、ルイスは全体練習が休みの今日6日も、休日返上でトレーニングを行う予定だ。時差ぼけや、インフルエンザなどで、1週間近く野球の動きから離れていたが、ここから「サイクル安打男」の本領を発揮する。【鎌田真一郎】

 ◆フレッド・ルイス

 1980年12月9日、米ミシシッピ州生まれ。02年ドラフト2巡目でジャイアンツに入団。07年5月13日にサイクル安打。ブルージェイズ、レッズを経て昨年1月にインディアンスとマイナー契約。4月にメッツ・マイナーへ移籍し9月にメジャー昇格。メジャー通算7年で535試合出場、打率2割6分6厘、27本塁打、136打点。53盗塁。背番号41。推定年俸4000万円。188センチ、93キロ。右投げ左打ち。