合計341勝コンビが、チームの一体感のためひと肌脱いだ。オリックス西本聖(56)星野伸之(47)両投手コーチが9日、沖縄・宮古島キャンプの特打で打撃投手を務めた。相手は“キカイダー”糸井嘉男外野手(31)と坂口智隆外野手(28)。西本コーチはシュート、星野コーチはカーブと現役時代さながらの得意球で熱投した。

 仕掛け人は石嶺打撃コーチ。「だって341勝ですから」と頼み込み、通算165勝の西本コーチ、同176勝の星野コーチによる豪華な打撃投手が実現した。

 西本コーチは評論家時代の07年、中日福留(現阪神)相手に打撃投手を務めたが、コーチとして1軍主力に投げるのは初めて。糸井に16本の柵越えを浴び「これが役に立って打ってくれるならうれしいよ。でも明日になったらどうなってるだろう…」と右肩をさすりながら帰途に。星野コーチは場外弾4本を含む18本の柵越えに「飛ばすわ。詰まったと思ったら越えてる」とパワーにため息をついた。

 341勝コンビから、計34発の糸井は「名前負けしました。投げていただいてありがたい」と感謝。張りがあった左太もももテーピングが不要になり、全快近しを打撃でも証明。森脇監督も「一致団結、一体感があったね」と納得する練習になった。【堀まどか】