左ふくらはぎ痛のため2軍調整中のソフトバンク吉村裕基外野手(28=DeNA)が6日、九州共立大との練習試合(雁の巣)で移籍初本塁打を放った。4番・指名打者で先発。5回に1年生左腕から2ランを放ち、3打数1安打2打点と勝利に貢献した。急ピッチで仕上げ、移籍1年目の開幕スタメンを引き寄せる。

 吉村は、大学生に格の違いを見せつけた。5回無死一塁、3ボール1ストライクから九州共立大の左腕・島袋圭亮投手(1年=沖縄工)の高め直球を捉え、バックスクリーンにたたき込んだ。前日5日のJR九州戦で実戦初出場。2戦、6打席目での1発だった。「ここでつないでもと思っていた。いいスイングができた」と、プロ111本塁打の長打力で勝利を導いた。

 宮崎キャンプ中の2月11日、シート打撃での走塁で左ふくらはぎを痛め、B組(2軍)降格となった。さらに腰に張りを訴えて実戦出場を延期した経緯もあり、急ピッチで仕上げる構え。今日7日の教育リーグ・広島戦で初めて守備に就く予定で、右翼で出場する。

 吉村はまた、一塁と外野に加え、出場機会を増やすため三塁に挑戦することを明かした。「高校3年間やっていた。1軍のデビューも三塁でした。下手くそなので練習しないと」。右翼は前頭部骨折から復帰しつつある長谷川、打撃好調の中村、江川と争い、一塁はラヘア、松中と競う。三塁にはWBC日本代表の松田がいるが、チームに戻ってくるまでは出場機会も増える。三塁を守れば、横浜(現DeNA)1年目の03年以来、10年ぶりとなる。

 「こっちで本塁打を打たないように頑張ります。なるべく早く1軍に上がりたい」。冗談交じりの決意表明に、開幕1軍への強い思いをにじませた。【石橋隆雄】

 ◆吉村の負傷

 春季キャンプ中の2月11日、シート打撃の走塁中に負傷。走者として二塁ベースを回った際に左ふくらはぎを痛めた。翌12日から別メニュー。14日に筋挫傷でB組降格と発表される。