日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18=花巻東)がついに「二刀流デビュー」することが7日、分かった。21日楽天とのオープン戦(東京ドーム)で1軍投手デビューする予定だが、首脳陣は、降板後にそのまま野手として守備位置に就かせる方向で検討している。キャンプから二刀流に取り組んでいる大谷だが、1試合の中で投手と野手両方をこなすことになれば初のケース。調整が順調に進み体調に問題がなければ、夢の起用法が実現する。

 夢のようなシナリオが、ついに実行される。マウンドから守備位置、そして打席へ。投打二刀流に挑戦している大谷が、1試合の中で姿を変える。日本ハム栗山監督をはじめ首脳陣は、21日楽天とのオープン戦(東京ドーム)で登板予定の大谷を、降板後も野手としてグラウンドに残して起用することを検討している。

 ここまでの実戦はすべて野手での出場に限られており、投手デビューが予定されている10日の春季教育リーグ・ヤクルト戦(鎌ケ谷)でも、降板後はそのままベンチに退くことになっている。だが心配されていたコンディション面の不安がなく、順調に成長を続けていることもあり、登板後に野手として出場した際の体への影響や負担などを探るためにも、試合の中での投打二刀流を試す。

 前日6日の巨人戦で本拠地デビューした大谷はこの日、千葉・鎌ケ谷へと戻ってウエートトレで汗を流した。「(巨人)福田さん、西村さんと、いい投手と出来たし、いいボールを見ることができたので、そこを目標にやりたいと思います」。打席に立って得た経験を、投手としての成長の場としてもとらえ、今後の糧にする。

 まずは10日の教育リーグで、投手として順調に滑り出すことが当面の目標。40~50球ほどの投球が予定されており「短いイニングですし、先頭打者をしっかり抑えたいです」と意気込む。高校時代に最速160キロをマークしているが「(球速は)調子が良ければ自然に出るものだと思う。それより、走者を出さないことを心がけたいです。球速を落としてでも、しっかりと抑えられたらと思います」と見据えていた。<大谷二刀流の歩み>

 ◆スタート

 キャンプ初日の2月1日は内野ノック、キャッチボール後に打撃練習、体幹トレなど二刀流メニュー開始。

 ◆初柵越え&ブルペン

 2日のフリー打撃で44スイング中7本の柵越え。3日はブルペンで捕手を立たせたまま、カーブ、スライダーを交えて42球を投げた。

 ◆初打席初安打

 17日紅白戦で実戦デビュー。4回に代打で谷元から左前打を放つなど4打数2安打。積極的な走塁も評価された。試合前はブルペンで71球。

 ◆フリー打撃初登板

 21日に2軍で石川、松本を相手に45球を投げ、安打性の打球をわずか4本に。

 ◆対外試合

 23日阪神とのオープン戦で代打デビュー。26日広島との練習試合は「3番右翼」でフル出場し、5回に右前へ対外試合初安打。3月6日巨人とのオープン戦まで計5試合12打数3安打2打点。