<オープン戦:阪神6-3ロッテ>◇8日◇甲子園

 どないしたら負けるんや~。和田阪神の勢いが止まらない。ロッテ戦は同点の7回に5連打集中で突き放し。2軍メンバーに出場機会を与えると、3年目20歳の中谷将大外野手らがここぞとばかりに猛アピールで、和田監督もうれしい悲鳴だ。5連勝でオープン戦首位を独走。そして今日はお待ちかねの甲子園デビュー、晋ちゃん藤浪晋太郎でまた勝っちゃう!?

 鮮やかな集中打だった。同点に追いつかれた7回。1死で関本が勝ち越しのソロを放った。ここからロッテの左腕植松に襲いかかった。新井良が中前打で出塁すると、野原がしぶとく三遊間を破った。この日、初めて1軍に合流した浅井が右前打でつなぐと、満塁で3年目中谷が打席に入る。

 「消極的にならないように、振っていこうという気持ちがあった」

 内角直球を右前に運んだ。勝利を決定づける2点適時打。2軍安芸キャンプからスタートし、初めて1軍で出場した中谷が期待に一発回答。立場は違うがベテランの関本、浅井も結果を出した。開幕1軍をめぐって各ポジションで火花が散っている。この競争力が今の阪神の強さだろう。

 「そこらへんのクラスの選手がみんな状態が良くて、関本あたりもかなり危機感を持って取り組んでくれている。みんなベンチでいつ、声がかかるかという態勢を取っている」

 和田監督も次々とアピールしてくる選手たちに、満足そうだった。象徴となったのが中谷だ。2軍キャンプでのことだ。3日目、最後のランニングを走っていると、平田2軍監督に呼ばれた。真剣味の足りない走りが原因でグラウンド上でカミナリを落とされた。ただ、その後の2軍戦では全試合「4番三塁」に固定されている。勝負とともに重点を置いている育成。猛虎改革は着々と進行している。

 「強さが出てきている。体力的にもプロの体になってきた。まだまだだけど、去年の終盤、キャンプより。今まで体力的な部分で振れば振るほどスイングが弱くなってしまっていた。もっと振り込んで1軍レベルになってほしい」

 和田監督も中谷の変化を感じ取っていた。優勝のために、西岡、福留、コンラッドを補強した。ただ、その主力たちの尻に火をつけ、チーム全体をレベルアップさせるのが若手の台頭による競争激化だ。

 「上がってきてよかったけど、ここから必死になって少ないチャンスを思い切ってやっていこうという気持ちです」と中谷は言った。限られたイスをめぐって火花を散らし合う。それが、和田阪神を高みへと押し上げていく。【鈴木忠平】

 ◆中谷将大(なかたに・まさひろ)1993年(平5)1月5日、福岡生まれ。福岡工大城東から大型捕手として活躍。10年ドラフト3位で阪神に入団した。打力を生かすため外野も兼任し、登録も外野手に。昨年8月23日中日戦で1軍デビューを果たすも初安打はお預け。昨秋キャンプでは内野にも挑戦した。187センチ、85キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸600万円。