<阪神0-5広島>◇1日◇甲子園
期待を裏切らない。それが、エースだ。ただ、18日ぶりのマウンドに立った広島前田健太投手(25)にも不安はあった。気温12度、底冷えする環境は復帰戦には過酷だった。「故障明けで探り探りの投球だった。いけるという気持ちと、不安があって、(序盤は)うまくセーブしながらだった」と振り返った。
1、2回は制球が定まらなかったが、体が温まると本領を発揮した。5回2死走者なしで伊藤隼を空振り三振に仕留めた球は149キロをマーク。投球後に、跳ね上がるほどの全力投球だった。連打を許さず、7回91球を投げ4安打無失点。防御率0・30は、再びリーグトップに躍り出た。「結果が全て。抹消明けで、0に抑えられたのは収穫です。(不安は)なくなりました。(防御率は)序盤なので。最後までいけばいいですけど」と力強かった。
最短の10日で帰ってきたのは意地だった。WBCの影響で疲労が蓄積。4月21日に「右上腕三頭筋筋膜炎」で3年ぶりに出場選手登録を抹消された。先発ローテーションを守ることに強いこだわりを持つエースにとっては屈辱だった。筋力の使い方を効率的にするピラティスの要素を取り入れた。大きく呼吸した状態での体幹を動かし、連動する骨盤、股関節、肩甲骨の動かし方を再調整。通常の登板間ではできないトレーニングに時間を費やし、動作の無駄を減らすことで、ケガの再発防止に努めた。
頼れるエースの復帰登板に、野村監督も「マエケンに尽きますね」と最敬礼した。チームも3位に浮上した。ここからがコイの季節だ。【鎌田真一郎】



