<中日0-3巨人>◇1日◇ナゴヤドーム

 巨人先発沢村拓一投手(25)が、入団時から続くナゴヤドームでの自身無失点記録を、32回1/3まで伸ばした。最速151キロの直球で、テンポよく打者を押し込んでいく投球。中日先発カブレラとの迫力ある投手戦になった。7回、連続四球で1死一、二塁として降板したが、先発投手としての役割を果たした。「チームが勝って良かったです。右バッターへの外角のコントロール、反省しないといけません」と落ち着いた様子で話した。

 もちろん「ナゴヤドームは得意ですから」との自覚があった。前回登板は岐阜長良川球場。低くて足場も不安定なマウンドから中5日だったが「この球場の高いマウンドも、全く気になりませんでした。すぐにアジャストできました」と関係なかった。好相性のマウンドと広い外野を味方に付け、立ち上がりから伸び伸びと投げていった。「相手よりも絶対、先に点を与えないようにと思って投げていました」と、緊迫した投げ合いでも心に余裕があった。

 スパッと継投に入った原監督の決断も効果的だった。「いいピッチングだった」と前置きした上で「7回を投げきってほしかった。打たれたのならいいが、四球、四球でしたからね」と続けた。上げ潮の沢村に比例して、求めるレベルもグッと質が上がってきた。【宮下敬至】