<オリックス0-1ロッテ>◇1日◇京セラドーム大阪
ピンチでも、ロッテ西野勇士投手(22)の制球は狂わなかった。1回2死一、三塁と5回2死二塁。いずれも外角低めいっぱいにフォークを落とし、投ゴロと空振り三振に仕留めた。得点圏に走者を背負ったのはこの2回だけ。「初球から振ってくるというデータがあった。真っすぐが良かったので、フォークを振ってくれました」と振り返った。
7回1/3を4安打8奪三振無失点。李大浩への四球を除くと、打者26人に対しボール先行は7回。そこから3ボールは1度もなかった。糸を引くような精密なコントロール。手先の器用さは高校時代に培った。
西野は選択授業で、野球部員では異例の美術を履修していた。当時の監督で、美術教諭でもある新湊・手操能人(てぐりよしひと)部長(53)は「油絵とか彫刻とか、細かい作業をやらせました」と話す。絵筆を持たせれば写実的な自画像を、彫刻刀を握らせれば繊細な像をつくり出した。キャンプ参加のため卒業式を欠席した西野の作品は、後輩の“手本”として今も母校に置いてあるほどだ。
「同い年には負けたくない」と、抜群の安定感で松葉との投手戦を制した。今季3度目の連敗ストップで3勝目。支配下登録1年目の2ケタ勝利も見えてくるが「まだまだ。自分をアピールしなきゃという気持ちの方が強い。少しでも長く1軍にいたいです」。初々しさを残す22歳が、チームを再び貯金生活に引き戻した。【鎌田良美】




