<ソフトバンク1-3ロッテ>◇4日◇ヤフオクドーム
ロッテ成瀬善久投手(27)のキレは、飛球をも操る。9回先頭、内川の打球が真骨頂だった。内川には6回に先制ソロを浴びている。2点リードの最終回、もっとも危険な打者だった。カウント1ボール1ストライクからのチェンジアップは、猛烈な勢いで左翼に飛んでいった。だが、左翼手・角中は、1歩も動かずライナーを拝み取り。スタンドのファンの歓声は、一瞬でため息に変わった。
「いい当たりされたのも、すべて真っ正面」と、悠然と振り返った。27のアウトの中、フライは14。三振は今季最多8で、ゴロは5。フライの多さが際だった。ただし、フライを打たせても、安打にさせない。絶妙な制球力が光った。飛球は意図的か問われると「そういうつもりはないですが、できるだけ力まず投げようと思ったのがよかった。真っすぐに伸びがあった。チェンジアップもスライダーも良かった。今年1番です」と話した。リリースの瞬間までは力まない。脱力投法が、打てそうで打てない「キレ」を生んだ。
完投は今季チーム初。5回、ペーニャの打球が左ひざの下に直撃した。マウンドに倒れ込んだが「腫れはあるが痛くはない」と続投。前回登板時に「僕は完投しないといけない立場」と話した通り、有言実行の111球。伊東監督を「今日(抑えの)益田が投げると4連投だった。完投は助かった」と喜ばせ、敵将・秋山監督には「ここではいい投球するねえ」と脱帽させた。無傷の4連勝と防御率0点台は、リーグトップ。エースは「1週間くらい載っているでしょうから」と、ひそかに個人成績表を楽しむと笑った。【金子航】




