<西武9-7日本ハム>◇4日◇西武ドーム

 日本ハム中田翔内野手(24)が、西武戦で3試合連続猛打賞をマークも、チームの借金完済はならなかった。3戦連続3安打以上は、球団では09年高橋信二(現オリックス)以来。リーグトップに躍り出る41安打としたが、悔しさが残る今季最長ゲームとなった。

 この日、最後の打席となった8回。7-7と追い付き、なおも2死一塁。カウント2ボール1ストライクから、ど真ん中の145キロ直球を打ち上げ、中田は思わず顔をしかめた。「あれは打ち損じだね。そう、いつも打てるわけじゃないけど…」。狙い球を一撃で仕留められなかった無念さが、言葉の端ににじんだ。

 打撃のほうは相変わらず好調だ。3本塁打から一夜明け、大振りになることもない。「本塁打は狙ってないから」と、いつも通りコンパクトにバットを振り抜き、連続試合安打を自己最長タイの8に伸ばした。2回の第1打席で中前へはじき返すと、3回の第2打席は変化球をとらえてフェンス直撃の三塁打に。四球を挟み、7回の第4打席では三塁へ強烈な内野安打を放って得点に絡んだ。打点こそないが、4打数3安打で3試合連続の猛打賞。今日5日西武戦(西武ドーム)で3安打以上すれば、00年の小笠原(現巨人)に並ぶ4試合連続の球団記録に並ぶ。

 ただ、チームが勝たなければ、喜びはかすむ。借金完済に臨んだが、あと1歩のところで勝率5割の壁に跳ね返され、栗山監督は「取らないといけないゲームだった」と残念がった。悔しい気持ちは、4番中田も同じだ。「3本打とうが、4本打とうが、負けてしまったら意味がないのでね」。この日の3安打で、安打数はリーグ最多の41本に。打点とともにリーグトップに躍り出たが、最後まで笑顔はなかった。【中島宙恵】