<ヤクルト6-0中日>◇7日◇神宮
140球を投げても、ヤクルト村中恭兵投手(25)に疲労の色はなかった。完封目前の8回に代打を送られたが「行けと言われれば行くつもりでした」と言った。強風もあって制球にも苦しむ中、直球主体に攻めて3勝目。「中村が強気にリードしてくれた」と女房役に感謝した。小川監督は「粘り強くよく投げた」と称賛した。
この一戦には思考を変えて臨んだ。2回KOされた4月9日の中日戦以外の今季4試合は、球数が100球を超えた。新フォーム習得中のため増えるのはやむを得ない。だが、バーネットをはじめ救援陣に故障者が出ているだけに「先発が崩れると中継ぎに負担がかかるし打者にも重圧になる。長い回、しっかり仕事をする」。そのために「投げ方より、力を入れるタイミング」に重きを置いた。
細かくフォームをチェックしていたこれまでと違い、キャッチボールからボールを離す瞬間に力を入れる感覚を意識した。8回、先頭のルナへの初球は136球目ながら140キロを計測し、一邪飛に仕留めた。試合中に「オン」と「オフ」を使い分け、球威を保ったまま今季最長の8回を投げ抜いた。「力の入れ方はうまくいっているかもしれないですね」と手応えをつかんだ。
チームを3連勝に導いたが、笑顔はなかった。今季から投手主将に任命され、3日に結婚を発表した左腕は「もうちょっと球数を少なくしていきたい。完投とか完封とか、長いイニングを投げたい」と、強い責任感を口にして表情を引き締めた。【浜本卓也】




