<DeNA5-7楽天>◇15日◇横浜

 楽天の“交流戦男”が帰ってきた。鉄平外野手(30)が3安打猛打賞の活躍。8回には、今季1号となるソロ本塁打も放ち、交流戦2連勝スタートに貢献した。両チームあわせて15四球と大味な試合で、選手会長のバットが光った。貯金を今季最多タイの3とし、明日17日からは名古屋で中日と戦う。

 思わず、走りながら左腕を突き出した。6-3で迎えた8回先頭。鉄平は、DeNA加賀のシンカーをすくった。低めに落ちる球を技ありで右翼席へ運んだ。今季1号ソロに、一塁を回ったあたりでガッツポーズが飛び出した。プレー中に感情を表に出すことは珍しい。試合後、その場面について聞かれると「ん~」と受け流したのも、鉄平らしかった。

 直前の7回に1点を失っていた。それだけに、星野監督は「あれ(本塁打)が効いたな」と手放しで褒めた。だが、鉄平本人が胸を張ったのは、その前に重ねた2つの内野安打だ。

 2回無死一、二塁では、一塁へセーフティーバントを決めた。送ることを優先すれば、三塁方向に転がすのがセオリー。実際、バットに当たった瞬間、相手投手の小林寛はマウンドから三塁寄りに駆け降りた。その逆をつき、一塁方向へ転がし安打とした。「後ろの打者が投手。(普通に送って)ただ二、三塁にするよりは」とニンマリ。好機を広げ、この回の同点につなげた。

 もう1本は、6回無死一塁で放った投手への内野安打だ。高いバウンドの間、一気に一塁へ駆け抜け、この回の3得点につなげた。「僕はホームランバッターじゃない。内野安打が出るのは良い兆候です」と言った。力を入れて振れている証拠だからだ。「そうじゃないと、打った後にバランスを崩して、すぐには一塁へ走れませんから」。自分の特徴を分かっているから、地味でも内野安打に価値を見いだした。

 かつては交流戦期間中の活躍が目立った。「それは、昔の話ですよ」と関心を示さなかったが、鉄平のバットで交流戦2連勝。開幕から低迷していた打率は、2割5分3厘まで上がった。交流戦男の復活は、チームに勢いがつく。【古川真弥】