日本ハムの二刀流ルーキー大谷翔平投手(18)が1軍での投手デビューに向けて、異例の「御前試合」に先発登板する。今日16日のイースタン・リーグ西武戦(鎌ケ谷)に登板。右手中指の爪を痛めて1回で降板した7日の同巨人戦以来、投手として実戦調整する。1軍は休日だが、栗山英樹監督(52)はオフ返上で視察予定。同監督は「野球好きだから一ファンとして見てるかもしれない」とはぐらかしたが、1軍での二刀流運用へ最終チェックが入る。

 「投手・大谷」の1軍お披露目へ、秒読み段階に入りそうだ。開幕後、栗山監督が大谷の実戦登板に足を運ぶのは初めて。ゴーサインが出れば、不透明だった1軍登板時期にある程度のメドがつく可能性が高い。今回は球数90球、プロ入り最長イニング登板予定と、調整も本格化。指揮官は「ブルペンでは、ほれぼれするくらい良い球を投げてる」と高評価で、実戦で見極める。

 大谷も準備万端で、マウンドに立つ。「野手・大谷」で2安打した中日戦の交流戦デビューから一夜明けた15日、2軍本拠地の鎌ケ谷へ移動して投手に変身。「監督からは投手として、しっかり調整してと言われました」と気持ちが高まった。ブルペンでは時折、痛めた右手中指を気にしながらも、捕手を座らせて25球の投げ込みで仕上げた。「抑えたいし、打ちたい気持ちもある。常に結果を求めてやりたい」。壮大な夢の実現へ、また1歩近づいていく。【田中彩友美】