<中日2-3ロッテ>◇28日◇ナゴヤドーム

 “速い”ロッテ藤岡貴裕投手(23)が帰ってきた。プロ初の中継ぎで今季最速の146キロをマーク。「ヤツの魅力である真っすぐの勢いを取り戻してほしい」と先発から配置転換した伊東監督の計らいもあったが、期待に応えることができたのは「心技」で変化があったからだ。

 公式戦では東洋大時代以来となる、ワインドアップに戻した。モーションが大きいため、球種によって癖が出るのを嫌ってプロ1年目のオープン戦を最後に封印。だが今月10日に2軍降格した際、小谷投手コーチから戻すよう助言された。「その方が下半身も股関節から楽に上げられる。中継ぎでは変かもしれないけど、抑えられればそれでいい」。細かい制球は気にせず、思いきり振りかぶった。

 2軍生活中のメンタルコントロールも功を奏した。効いたのは小谷コーチの言葉。「投手は打たれるのが仕事。気にしなくていい」。打たれる→負ける→チームに迷惑がかかる→落ち込む→打たれる、と負のスパイラルに陥っていただけに、最高の薬だった。さらにプロで一番調子が良かった、昨季の開幕当時の映像を見比べ、フォームを徹底比較。同期の中後に、中継ぎの肩の作り方を質問したりもした。チームのことは1度忘れ、自分に集中したことで開き直れた。

 動作面と精神面。両方を改造した球は走った。今季先発6試合では35回2/3を投げ、18個だった奪三振が今日は2回で2個。いずれも直球で空振りさせた。「今日はとにかく、大胆にいこうと思ってました」。130キロ台で連打されていた姿は、そこにはなかった。【鎌田良美】