<巨人0-5ソフトバンク>◇28日◇東京ドーム
今季のベストゲームと言っていいだろう。ソフトバンクが、2年前まで在籍した巨人杉内俊哉投手(32)を攻略。4、6回と効果的に1点ずつを奪うと、7回には2試合連続で1番スタメン起用された吉村裕基外野手(28)が5号3ランでとどめを刺した。先発帆足和幸投手(33)の好投もあり、チームは22日以来の勝率5割に復帰。さあ、波に乗っていこう。
杉内攻略の仕上げは吉村だった。7回、初球のスライダーを捉えた打球は右翼席まで届いた。「入ってくれ!」と叫びながら走った。願いは通じた。「打った瞬間は、入るという手応えではなかった。大きな追加点になったと思う。しっかり自分のスイングをしようと思っていた」。巨人戦の連敗を4で止める、大きな一撃となった。
積極策と、打線の組み替えが奏功した。1、2番には2試合続けて吉村と李杜軒を並べ、4番には4月27日ロッテ戦以来となる松田宣浩内野手(30)が返り咲いた。好投手を打ち崩すため、ベンチからの指示は明快だった。藤井打撃コーチが明かした。「カウントを取ってくる球から狙っていけと。追い込まれたら厳しい」。打者はどんどん振っていった。
4回には内川が第1ストライクを中前打。続く松田も、初球を中前に運んだ。「内川さんが塁に出ていたので、つなぐ感じで初球からいった。積極的に行った結果」と胸を張った。1死後、ラヘアが初球のスライダーを打ち返した右犠飛で先制のホームを踏んだ。
FAで去っていった杉内には1年前に初対戦。7回を1安打のみの無得点と完璧に封じ込まれた。ただ、意識しすぎないこともチームで徹底した。内川は「去年との違いは感じなかった。杉内さんだからと、必要以上に感じることはない」。チーム一丸で、数少ないチャンスをものにした。
得点が入るたび、ベンチではお祭り騒ぎ。右手で鳥のくちばしをかたどる、アイドルグループももいろクローバーZの「ココ☆ナツ」のポーズが頻発した。率先した松田は「全国中継ですから!」と、いつも以上に回数を増やした。
内川は球宴要項発表の会見の時に言っていた。「楽天のバーンポーズとか、他のチームを見ていて面白そうだなと思っていた。ホークスは松田を中心にいろいろやってるけど、イマイチ盛り上がってない…」。ただこんな最高のゲームなら、ムードも高まるはずだ。
勝率5割に返り咲き。ただ、油断はできない。「今、頑張らないと交流戦もズルズルいって、このままシーズンが終わってしまう気がする」。内川のこんな危機感を全員が持てば、きっと勝ち星は増えていく。【大池和幸】



