<広島1-8日本ハム>◇29日◇マツダスタジアム

 「第2の故郷」のイメージを、投打で変えた。日本ハム吉川光夫投手(25)が7回3安打1失点で今季5勝目をつかんだ。打撃でもプロ入り7年目で初安打&初打点をマーク。福岡出身だが、広島は広陵高時代に3年間を過ごした地。恩師の中井哲之監督(50)も見守る中、マツダスタジアムでのプロ初勝利を挙げた。「苦い思い出しかないです」と振り返った場所で、最高の結果を出した。

 懐かしいにおいに、高校時代の思いがプレーバックした。広陵高ではエースで9番。「本塁打は3本だけです」と、少し自慢げに笑って見せた。交流戦前の投手陣による打撃練習。左腕はバットを何度も振って感触を確かめながら、終始楽しそうに取り組んでいた。「バッティングは好きか嫌いかで言えば、好きです」。7回2死一、三塁。無欲で振ったバットが直球にミート。打球は中前へと転がった。

 許した失点は本塁打のみ。1回、広瀬に151キロの直球を左翼スタンドへ引っ張られた。「あの1発以外は納得していけました」。5回をのぞいて毎回三振を奪い、今季初の2ケタ10奪三振で締めくくった。ヒーローインタビューでは「本当に3年間過ごした場所で、恩返しできたと思います」。熱投のせいか照れているからか。顔を赤らめながら、感謝の思いを伝えた。【田中彩友美】