<楽天10-3DeNA>◇5月31日◇Kスタ宮城

 ベンツへの道はさすがに険しかった。楽天則本昂大投手(22)が7回2失点で5勝目を挙げた。だが、お立ち台で「2死から打たれて、コーチからも注意を受けたので、次は取られないように頑張ります」と6回に失点した場面を振り返り、唇をかんだ。勝っても悔しさは残った。

 なぜか動揺もしていた。「完封しちゃったらどうしようと思いました」と興奮気味だった。完封したくなかった?

 いやいや、理由は登板前日の宣言にあった。「ベンツが欲しいんです。完封して完璧な試合で、監督に100点満点と褒めてもらったら買います!」と、プロ初完封のご褒美として購入を誓っていた。すると5回まで無失点。「やばい。言った次の日に早すぎです」と、本当に実現しそうで少しびびってしまったのかもしれない。

 お膳立ても整っていた。2回で7点リードし、大量援護をもらっていた。「完投、完封をするべき展開だった」とスイッチも入った。「いける!」と思った直後、6回2死二、三塁からブランコに2点適時打を浴びた。思わず天を仰いだ。「最悪でした。抑えたかった」と悔しがった。

 それでも、備え持つ素質を見せた。100球を超えた7回、この日最速の151キロをマーク。大学時代は試合後のアイシングをせずに次の日も連投していたほどで、肩のスタミナは折り紙付きだ。コンディショニングの星コーチも「肩の筋肉が柔らかいから、肩周りが固まらない。チームでは則本と永井が柔らかいですね」と証言。柔軟性があると疲労も出にくい。

 課題は序盤の球数の多さと、勝負どころでの決め球の制球力だ。星野監督も失点場面を「2死からだったからね。余計に(抑えてほしい)」と注文をつけた。7回110球と球数も多く、則本は「球数が多かったので、打たせるところは打たせればいい。そうすれば完投、完封も見えてくる」と言った。次は本気でベンツを狙う。【斎藤庸裕】