<西武4-1ヤクルト>◇5月31日◇西武ドーム
4番に座る西武浅村栄斗内野手(22)が、2打席連続の7号サヨナラ3ランで試合を決めた。同点で迎えた9回2死一、三塁、バーネットの直球を左翼席に弾丸ライナーで突き刺した。5月28日のDeNA戦では守備のミス、三振と精彩を欠き、3回裏の守備から懲罰の意味合いも込めた途中交代。翌29日の同戦から任された4番2試合目で、自身2度目のサヨナラアーチで決着をつけた。
絡み合う感情を、浅村は一振りに込めた。悔しさ、重圧、喜び、さまざまな思いが詰まったライナーは、一瞬で西武ファンが待ち受ける左翼席に突き刺さった。右拳を突き上げ、奈良原一塁ベースコーチと両手でハイタッチ。「何(の球種)を待つとかじゃなく。とにかく打てる球を」振り抜き、チームを今季初のサヨナラ勝利に導いた。
“ナベQマジック”から生まれた「4番」だった。28日のDeNA戦、守備のミス、三振と精彩を欠き、3回裏の守備から懲罰の意味も込め、途中交代させられた。その日、渡辺監督から告げられたのが4番だった。指揮官は「カンフル剤。オレの中ではすぐに思い付いたよ」と言ったが、浅村は「監督が(4番で)使ってくれることを理解して」と真摯(しんし)に受けとめた。
西武の4番といえば、大阪桐蔭の先輩でもある中村が不動だった。左膝のリハビリ中の先輩は、4番の誇りを「飛び道具(本塁打)」で表現。まさに、浅村が放った2発はピッタリの活躍だった。お立ち台で“4番”の気持ちを聞かれ「居心地はそんなに良くないです」と笑わせ、「僕はただの4番目」と照れ笑いする姿が、浅村らしかった。
くしくも、この日の午前中、西武第2球場でリハビリ中の中村は「今日は4番誰やろ?」と心配そうだった。そして、西武ドームのロッカールームでの治療中、偶然会った後輩に「4番の浅村や」とちゃちゃを入れ、重圧を和らげた。昨季は打撃不振から一時は2軍に降格。考えすぎる性格が、自身を追い込んだが、先輩、指揮官の思いに結果で応えた。



