<オリックス0-2阪神>◇1日◇京セラドーム大阪
連敗を抜けると、巨人の背中がすぐそこにあった。3連敗と交流戦で苦しんでいた阪神は、エース能見篤史(34)が1安打シャットアウトの快投で6日ぶり勝利を収めた。オリックス金子とのエース対決を制し、連敗を抜け出せない首位巨人にようやく0・5ゲーム差と接近。ドラフト1位藤浪がソフトバンク打線に対する今日2日にもリーグ首位に立つ。
エースからルーキーへと、奪首へのバトンがつながれた。阪神能見が静かな表情で放った121球が、チームを鼓舞した。1安打完封。最後の打者バルディリスを遊ゴロに打ち取ると、ほっとポーカーフェースを崩し歓喜の輪に入った。
「フライアウトが多かったので、その分ボールのキレでは勝ってるのかなと思いました。相手は金子君だったので、そうそうこっちもチャンスはないと思っていたので」
チームの3連敗を受けて上がったマウンド。エース同士の投げ合いで、先に主導権を握らせるつもりはなかった。直球が走り、チェンジアップも効果的。2回2死から新井良が失策を犯しても、3回先頭で後藤に安打を許しても、ホームだけは死守した。
1戦にかける執念がある。登板前日は、練習後に時間をかけ体をケアする。その日にナイターがあれば、トレーナーは救援陣のマッサージを優先。能見はマッサージを試合終盤まで待ち、帰宅や宿舎に戻るのが遅くなるのもしばしばだ。それでも納得がいくまで準備をするのが能見流。その姿を知るからこそ、ナインも一丸となり全力を尽くした。
守護神久保が2軍調整となり、ベテランが多い救援陣には疲労感が漂う。その意味でも、交流戦14戦目で初めて先発完投した功績は大きい。和田監督も「今日は能見につきる。チームが苦しいときに後ろを使わずに、1人で投げきってくれて、非常にありがたい投球だった」と手放しだった。
ともに3連敗で足踏みしていた首位巨人はこの日も敗れた。ようやく、ゲーム差は0・5に縮まった。そしてバトンは、エースからルーキー藤浪へ託された。能見の背中を見てきた藤浪が気迫の投球で応えれば…。無敵の独走状態だった巨人を追い越す可能性が広がる。【山本大地】
▼能見が後藤の1安打に抑えて今季2度目の完封勝ち。阪神で1安打完封勝ちは、02年5月25日ムーアが中日戦で記録して以来、11年ぶり。交流戦の1安打完封勝ちは、06年6月6日川上(中日)がロッテ戦、06年6月8日斉藤和(ソフトバンク)が巨人戦で記録して以来3人目。



