エッ、ホームラン宣言!?
阪神藤浪晋太郎投手(19)が大阪桐蔭で1学年先輩の西田に「ライバル心」だ。高校時代から慕う西田が前日28日に初昇格。藤浪は「安打も打点も自分が先。本塁打も先に打ちたい」と色気を見せた。次回先発予定は8月1日中日戦(甲子園)。47歳山本昌との投げ合いが濃厚で、史上最大の年の差先発対決に臨む。
ほとんど人がいなくなった甲子園の室内練習場でカンカーンと乾いた衝撃音を響かせた。一定のリズムで打撃マシンから繰り出す白球を打っていたのは藤浪だった。一心不乱にバットを振り、時折、鋭いライナーでネットを揺らした。頬を緩めたのは練習後だった。前日28日に大阪桐蔭の先輩・西田が初昇格。その話題になると舌も滑らかに笑顔で言った。
「1つ上の先輩が1軍に上がってきて、ヒットも自分の方が先に打ってるんで。打点も自分の方が先に挙げています。ホームランも先に打ちたいですね、できれば」
プロ2年目の先輩西田は28日DeNA戦(甲子園)でデビューしたばかり。空振りの2三振発進だった。対して、開幕ローテーションに入った藤浪は一足早く4月のDeNA戦でプロ初打点(14日、甲子園)もプロ初安打(28日、横浜)も刻んでいる。気を許せる旧知の間柄だからこそ、トーンも柔らかい。「ホームラン宣言」したのも、藤浪流のユーモアだった。
昨年センバツ、夏の甲子園でそれぞれアーチを架けた。高校通算3本塁打のうち、2発が甲子園だ。藤浪は今季、18打数1安打で打率5分6厘だが、高校時代には「当たれば飛ぶバッターだと自分では思っていた」と話しており、ツボにはまれば、1発もある。高卒1年目の投手が豪快弾をかっ飛ばす。そんな夢物語も今年は日本ハム大谷が実現した。ライバル藤浪が“二刀流”で続けば、格好の話題としてにぎわう。
発奮材料はまだある。次回先発予定の明日8月1日中日戦(甲子園)は山本昌との対決が濃厚。8月11日に48歳を迎える球界最年長左腕は藤浪が生まれた94年、自己最多の19勝を挙げて最多勝、沢村賞などに輝き、バリバリの中日のエースだった。歳月は流れ、弱冠19歳の藤浪が胸を借りる。
「大ベテランの方との投げ合いは貴重な経験です。打席に立って勉強することもあると思う。あの年齢でプロの一線級でやられている。投球術や体のメカニクスも極めてこられた方です。試合なので勝ちにこだわりたい」
28歳8カ月の年の差対決は球界史上最大。前回登板の25日ヤクルト戦(神宮)は投球動作が横振りになり、自己最短タイの4回3失点で降板。中日とはプロ初対決になるが、リベンジに燃える。「いっぱい(動作を修正する)引き出しは持っているつもり。修正できると思う」。アーチ宣言、そして山本昌との対戦…。黄金ルーキーは、とめどなく話題を振りまく。【酒井俊作】



