日本野球機構(NPB)が来秋に8年ぶりとなる日米野球の開催を検討していることが11日、分かった。侍ジャパンの強化試合として行う予定。NPBは今後、大リーグ機構(MLB)との交渉を本格化させ、ドリームマッチ実現へ全力を尽くす。

 小久保ジャパンが初陣を終えて台湾から帰国したこの日、NPBが早くも1年後の強化試合に向けて準備を進めていることが判明した。NPB関係者は「日米野球を復活させるべく、検討を始めています。チームを強化する意味でも、イベントとしての盛り上がりを考えても、これ以上の相手はいませんから」と、明かした。

 かつて2年に1度のペースで行われた日米野球には、全盛期のバリー・ボンズやランディ・ジョンソンらが来日。テレビでしか見たことのないスーパースターのプレーは、日本の野球ファンを大興奮させた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)などの影響で06年を最後に行われていないが、侍ジャパンの常設化に伴い8年ぶりに復活させようという動きが本格化している。

 日本人大リーガーの参戦にも期待がかかる。96年には野茂(ドジャース)、02年にはイチロー(マリナーズ)がMLB選抜の一員としてプレーした。もし、米側がMLB選抜ではなく「米国代表」としてチームを編成するのであれば、侍ジャパンに日本人大リーガーを招集することも可能だ。レンジャーズ・ダルビッシュ、さらには今オフにメジャー移籍する可能性がある楽天田中が侍ジャパンの一員として凱旋(がいせん)することになるかもしれない。

 4年後のWBCでの王座奪回を最終目標とする小久保監督にとって、米国は避けて通れない壁。今回の台湾戦で大幅な若返りを図ったヤングジャパンにとっても、力試しの意味で願ってもない相手だ。何より、WBCでも実現しなかった史上最強の日本代表結成へ、夢は膨らむ。