和田監督もびっくり!?

 阪神のドラフト4位梅野隆太郎捕手(22=福岡大)が鋼のボディーでリーグ史上初の鉄人捕手を目指す。9日、新入団発表に臨んだ梅野は指揮官から「なんだ、この胸は!」と突っ込まれるほどの肉体の持ち主。かつてバースが背負った背番号「44」を与えられた男はリーグ史上初となる捕手でのフルイニング出場を目標に掲げた。

 重圧などみじんも感じさせなかった。背番号「44」のユニホームをまとった梅野が壇上に上がった。猛虎最強助っ人が背負った栄光の番号を与えられても落ち着き払っていた。

 「44番を自分のものにできるようにやっていきたいです。肩の強さ、勝負強さはアピールしたい。(捕手の)激戦の中に加わっていけるようにしたいです」

 九州6大学リーグでは通算打率3割以上をマーク、4年時には日米大学野球選手権に出場し、主将も務めた。アマでの実績、経験を積んできた男は1年目から正捕手争いに加わる決意を示した。そして、これから始まるプロ野球人生の目標としては壮大な記録を掲げた。2リーグ分立後は63年野村(南海)、03年城島(ダイエー)の2人しか成し遂げていない捕手でのフルイニング出場だ。

 「年間通して試合ばかりなんで、144試合かぶったとして、それでもたないようじゃだめ。年間通してやれる選手になりたい。城島選手のように肩が強くて、打てる選手になりたい」

 くしくも、あこがれの人は偉大な鉄人記録の達成者である城島だった。

 そして、梅野もまた肉体には自信を持っていた。入団発表前の控室では和田監督に胸を突っつかれたという。

 「何だ、この胸は!」

 見事に隆起した胸囲は102センチ。セ・リーグでは初めてとなる鉄人記録を目指す下地はありそうだ。

 「(筋力トレは)高校の時によくやっていましたから。プロに入るにあたっては合同自主トレまでに大学以上のものをつくっていきたい。もたもたしていられない。(阪神スタッフの)予想を上回るようにしたいです」

 即戦力としての強い自覚、大勢の報道陣にも物おじしない胆力。猛虎のホームベースをがっちりと守る鉄人捕手の誕生へ、期待がふくらむ。【鈴木忠平】