<ロッテ0-3楽天>◇13日◇QVCマリン

 無四球ピッチングで、再びチームに貯金をもたらした。楽天辛島航投手(23)がロッテ打線を8回4安打無失点に抑え、今季2勝目を挙げた。前日は24安打17得点で大勝したが、投手陣が7四球で10失点。先発が不安定な試合が続いていただけに、辛島のストライク先行で無四球の投球が光った。ヤンキースに移籍した田中の弟分が、大きな仕事をした。

 任された最後の打者を抑えても、淡々としているのが辛島らしかった。3-0の8回2死一塁。ロッテ根元に変化球を続けてカウント1-2と追い込み、最後はアウトローに134キロ真っすぐ。会心の見逃し三振にもガッツポーズはなく、すたすたとベンチへ下がった。8回107球。初の完封も見えたが「交代と言われたので。『はい』としか言いようがないですよ」と自己主張はしなかった。

 その分、8回までの投球で己を存分に発揮した。散発4安打で、四球は0。唯一のピンチは3回、自らの暴投で招いた1死三塁だったが、落ち着いて後続を断った。「6回からは球が高かった。後半も低く投げられるように」と、冷静に反省する余裕もあった。

 先発が崩れる試合が続いていた。悪い連鎖にはまるわけにはいかず、試合前には星野監督、佐藤投手コーチから「ちゃんとやれよ!」と、きつく言われた。だが「深くは考えなかった」と重圧は無縁。「ロッテは手出しが早い。コース、コースより初球から勝負しよう」と腹をくくった。

 自信の根拠はチェンジアップだ。これまでは、決め球としてストライクからボールに変化させることに意識を置きすぎていた。この日は「タイミングを外せば、真ん中でもOK」と、初球からカウント球に使用。投球の幅を広げた。マスクをかぶった1歳下の小関との息も、ぴったりだった。

 3試合を終え防御率0・44。星野仙一監督(67)も「ストライク先行なら、こうなる。安定感は一番」とたたえた。辛島は「このまま良い状態を続けたい」。言葉は控えめだったが、頼れる存在となった。【古川真弥】