<中日2-1阪神>◇8日◇ナゴヤドーム
皮肉すぎる…。阪神は9回2死満塁、和田豊監督(51)が今季初めてマウンドに出向きゲキを飛ばした直後、荒木にサヨナラ打を浴びた。先制しながら終盤に救援陣が踏ん張れず、逆転負けを喫した。打線もここ2試合でわずか1点と停滞気味。危機感を募らせる指揮官の行動も実らなかった。きょうからは巨人3連戦。甲子園でよみがえれ!
和田監督が動いた。1-1で迎えた9回2死満塁。サヨナラ負けの崖っぷちだった。今季初めて指揮官自らマウンドに向かった。この日2安打の荒木と対する左腕加藤の目を真っすぐに見据え、厳しい表情でゲキを飛ばした。
「思い切って?
それしかない。それとボテボテもあるから内野手のチェックとね」
自らの言葉で修羅場に挑む加藤の背中を押した。だが、勝負は残酷だった。輪が解けた約40秒後、加藤が投じた荒木への初球、139キロストレートは左前にはじき返された。今季初のサヨナラ負け。和田監督は歓喜に沸くナゴヤドームにくるりと背を向けると、足早にベンチ裏へ消えた。
“1点勝負”への執念は見せた。9回無死一、二塁に危機が広がると一塁手をゴメスから坂に代えた。4番打者を外してまで、犠打で二、三塁とされることを防ぎにいった。
「1点勝負やから。守るしかないんで」
守備で重圧をかけ、堂上直の投手前バントは三塁で封殺した。守り合いで1歩も引かなかったが、最後はしのぎきれなかった。ヤクルトから始まった9連戦は2カード連続の負け越しとなった。
指揮官の激しい動きは危機感の表れだったのかもしれない。開幕からあれほど好調だった打線が5月に入って止まった。4月は1試合平均6点以上取っていたが、今は2・1点。上本の離脱や大和の不振で1、2番の出塁が減り、ゴメス、マートンら主軸の前に走者が置けなくなった。
この日も1、2番の出塁は俊介の1安打のみ。9回、主軸で築いた1死満塁も四死球でのもの。新井良、福留も快音出ず、その裏の悲劇へ導かれた。和田監督がうめいた。
「あそこ(9回1死満塁)で勝ち越しておかないと…。ちょっと打線が重くなってきた。得点圏でクリーンアップという、その数が少ないかな。打つ方に関しては元気がないな」
打ち勝ってきた猛虎が我慢の時を迎えた。9連戦はこれで2勝4敗、今日からは甲子園に戻って巨人を迎え撃つ。4月11日からの3連戦で3連倒した、あの勢いがよみがえってほしい-。再進撃にはもってこいの舞台だ。【鈴木忠平】<和田監督の主なマウンド激励VTR>
▼12年3月30日DeNA(京セラドーム大阪)
開幕戦で4-3の9回、藤川を送り出す際に自らマウンドに向かった。ともに戦うという気持ちを込めて守護神に白球を渡したが、藤川は1死三塁からラミレスに同点打を許す。延長10回になんとか追いつき、引き分けた。
▼同3月31日DeNA戦(同)
3-2の9回に2試合続けて自らマウンドに行き、藤川に白球を渡した。藤川は先頭に四球を出したが、無安打無失点で1点リードを守った。
▼同6月3日日本ハム戦(札幌ドーム)
3-3の8回裏1死二塁で代打・二岡の敬遠策を確認するためにマウンドへ。だが筒井がその後金子誠に決勝適時打を打たれ、3-7で完敗。
▼13年8月29日巨人戦(東京ドーム)
2-1の9回裏に追いつかれなおも2死三塁で安藤にスイッチした際にマウンドに向かった。安藤はピンチを切り抜けたが、延長10回に3番手の松田がサヨナラ被弾。



