<オリックス2-1ソフトバンク>◇17日◇京セラドーム大阪

 ひとつのサインが、オリックス首位の扉をこじ開けた。延長12回無死一塁。誰もがバントと思った瞬間、8番安達がヒッティングに転じた。外角のボール球に食らいつき、右前に流し打った。「準備はできていた。バットを伸ばしたが、どこに行ったか分からなかった」。バスターエンドランが成功し、一、三塁でチャンス拡大。試合を決定づける采配だった。途中出場の伊藤が右翼に犠飛を放ち、今季初のサヨナラ勝ち。その先に、5月3日以来の首位が待っていた。

 昨年は1点差ゲームに19勝26敗。勝負弱さを返上するため、キャンプから1点にこだわる野球に取り組んできた。安達は言った。「打撃練習でエンドランを練習してきた。『出る確率が高いから、練習しておけ』と言われていた」。ベンチと選手が1つの方向に進んでいる。だから強い。

 11回にペーニャが右前打を放つも、一塁走者の原拓が三塁まで進めなかった。ペーニャは「何でいかないんだ!」という身ぶりで怒りをあらわにした。ベンチでヘルメットをたたきつけたほど。勝利への執着心がチームを引き締めた。森脇浩司監督(53)は「勝つための役割を果たしてくれた。強くなっている印象を受けた。注目されている中でやるのは大きなことだ」。今季の1点差ゲームは6勝2敗。チーム力で首位に立った。【田口真一郎】