<楽天2-12西武>◇18日◇盛岡

 故郷のファンに、成長した姿を見せた。岩手県出身の楽天銀次内野手(26)が盛岡で行われた西武戦に出場。高校時代を過ごした町で、大きな声援を受けた。安打を放つことはできなかったが、1回には一時同点の犠飛を放った。試合には敗れ、チームは4連敗と苦しいが、はつらつとしたプレーを続けた。

 銀次が打席に向かうたびに、満員のスタンドから声が飛んだ。地元ファンに背中を押され、見せ場は、いきなりやって来た。0-1の1回1死三塁。西武十亀の初球、内角高めの直球を引っ張り右翼へ同点犠飛を放った。ライナー性の小気味よい当たりに、「銀次」と書かれた応援ボードが揺れた。しかし、直後の2回、塩見が勝ち越しを許した。銀次も第2打席からは二ゴロを3つ続けた。いずれも走者を置いた場面で巡ってきたが、つなげられなかった。「元気な姿を見せられたのは良かったと思います。ただ、結果を出せなかった。今日は申し訳なかったです」と悔しがった。

 舞台となった岩手県営野球場には、ほろ苦い思い出が詰まっている。3年夏の県大会。盛岡中央の主軸として、チームを引っ張った。だが、花巻東との決勝戦。捕手だった銀次は8回に捕逸を犯し、失点を許した。直後の9回、自らの三塁打で得点につなげたが、1点差で敗れた。その試合は4安打を放つ活躍だったが「自分がミスをして甲子園に行けなかった。それが一番の思い出です」。今でも忘れられない。

 あれから9年。プロとなり、日本一になった楽天の主力となり、帰ってきた。出身地の普代村からも、子どもたちを含め総勢70人ほどが駆けつけた。スタンドで応援した祖父の畠山保男さん(67)は「銀次が打つと、普代が盛り上がります」と目を細めていた。銀次はこの日は安打を打てず、勝利も届けられなかったが、最後まで気を抜くことなくプレーした。試合前「銀次も頑張っているというのを見せられたらいい」と言った。言葉どおりの姿を、故郷の人たちの目に焼き付けた。【古川真弥】