<オリックス12-2阪神>◇20日◇京セラドーム大阪
オリックス西勇輝投手(23)が、開幕から8戦8勝の球団新記録を打ち立てた。阪神打線に今季ワーストの8安打を浴びるなど今季最短6回2失点で降板も、4回まで10得点の大量援護に守られた。チームは6連勝。貯金13は97年8月29日西武戦(西武)以来で、パ首位の勢いを見せつけた。
球団史上最強の投手が誕生した。西が今季初登板から無傷の8戦8勝。「光栄なことですが、またすぐ次の戦いがある。1戦1戦しっかり頑張っていきたい」。85年にロッテの大エース村田兆治がつくった11連勝も見える位置まで来た右腕は、次に目を向けていた。
投球内容は今季最も不本意だった。3回、先頭緒方と上本の連打から2失点。6回2死二、三塁はしのいだが、この回を最後にマウンドを降りた。そんな自分が許せなかった。「中継ぎの方に迷惑をかけた。普段、対戦経験のないセの打者が相手で、考えすぎてしまった。6回で降板なんて全然ダメ」。自分への怒りを一気に吐きだした。そんな気持ちもチームを支える自覚の裏返しだ。
プロ2年目の10年、今の姿につながる転機があった。当時の酒井2軍投手コーチ(現楽天2軍投手コーチ)に「プレートの真ん中を踏むようにしなさい」と教えられた。当時、西の最も力ある球は、右打者の打席のラインとホームベースの間を通る内角球。だがボールと判定されることがほとんどで、右打者の外角球を狙った球はシュート回転し、痛打される悪循環が続いていた。
コーチの助言を受け入れ好感触をつかみ、西は自分の工夫でさらに立つ位置を一塁側ぎりぎりに変え、右打者の内角に威力ある球を投げ込む今の投球スタイルをつくりあげた。「もともとぼくの球はシュート回転する。矯正されることが多いのに、逆にコーチはそれを長所として生かそうとしてくれたんです。野球人生の1つの転機でした」。飛躍につながる経験だった。
負けない記録をつくったこの日。「次は必ず完投します!」。京セラドーム大阪のファンに向かって、西はそう約束した。【堀まどか】
▼西が開幕から登板した8試合にすべて白星。昨年の田中(楽天)が開幕から24連勝したが、登板試合にオール白星の「開幕8戦8勝」は04年岩隈(近鉄=9戦9勝)以来、10年ぶり4人目。オリックスでは阪急時代の39年高橋がマークした7戦7勝を抜いて新記録。金田は8勝時に防御率0・48だったが、3勝がリリーフ。先発だけで8戦8勝した3人では西の防御率1・03が最も良い。



