<オリックス12-2阪神>◇20日◇京セラドーム大阪

 頼りになる選手会長の阪神上本博紀内野手(27)が、1軍に帰ってきた。6点ビハインドの3回無死一塁。「甘い球が来たので見逃さずに打てた」。オリックス西の139キロを右中間に運んだ。快足を飛ばし、三塁に到達。プレーでチームにゲキを飛ばした。

 上本

 (右手は)大丈夫です。ケガする前と変わりなかったです。ケガしたのも2週間前なんで。

 3日ヤクルト戦(神宮)で右手親指を骨折してから17日。驚異のペースで「1番二塁」に戻った。5度の守備機会もすべて問題なくこなし、フル出場した。試合には負けた。だが、指揮官の言葉が、上本の存在の大きさを物語った。

 和田監督

 打線がいい意味で落ち着くと思う。(打線に)手応え的なもんがあるんでね。

 チームは5月、上本不在で臨んだ13試合で6勝7敗と低迷。負傷した西岡の穴を上本が埋めた4月、チームは月間18勝8敗。チーム打率2割9分6厘と打線が奮起しての白星街道だったが、その原動力は4月3割3分を放った上本だった。

 和田監督

 クリーンアップの前に1人でも多くランナーをためて回せるように。それがうちの得意のパターンやから。

 阪神打線は4月26日DeNA戦(横浜)から20試合、初回に点を取れていない。この日も点を挙げられなかったが、1番打者を固定しきれなかった上本不在時とは、今後状況が一変するに違いない。

 もちろん、選手会長の復帰の好影響は、攻撃面だけにとどまらない。初回には、バント処理で一塁悪送球した藤浪を激励するなど、守備でも精神的支柱となっている。

 リハビリ中、1軍の試合を時間があればテレビ観戦した。離脱後失速したチームについて問われても「自分が言える立場じゃない」と口を閉ざした。個人の思いは内に秘め、チームのことを第一に考える。そんな男が、戦場に戻ってきた。【松本航】<上本復帰までの道のり>

 ◆負傷

 5月3日ヤクルト戦(神宮)の4回守備で、捕球しようとしたライナーが直撃。「右手親指末節骨骨折」と診断された。

 ◆リハビリ

 5日、鳴尾浜で開始。親指を固定具で保護し、室内でランニングなどを行った。

 ◆本格トレーニング

 9日から屋外トレーニングを再開。11日はキャッチボール、ノックを再開。14日には屋外フリー打撃を行い2本の柵越え。16日にシート打撃を行い、3打席に立ちヒット性の当たりは1本。

 ◆実戦復帰

 17日ウエスタン・リーグオリックス戦(鳴尾浜)で「1番二塁」で先発出場し、2打数1安打1四球1盗塁。守備機会はなかった。翌18日の同戦はフル出場。2打数無安打1四球1犠打で、守備機会は2度。