<ロッテ7-1巨人>◇23日◇QVCマリン

 「投手がしっかり試合をつくれば、野球は勝てる」。ロッテ成瀬善久投手(28)は、母校横浜高の恩師、小倉清一郎コーチの言葉を胸に、巨人打線に対峙(たいじ)した。同高の渡辺監督と二人三脚で名門校を指導した小倉氏の、今夏限りでの勇退が決まった。「渡辺監督と(小倉コーチの)2人がいたからプロになれた。感謝しています。卒業前の1カ月は一緒に住んでました。現役中はあんまりですが、頑張れば褒めてくれる人でした。最後に会ったのは一昨年の12月。プロで頑張っている姿を見せないといけないと思っている」。前日、報道陣にしみじみと語った。

 小倉コーチから「お前はエース。エースが他と同じことをしていたらだめ。1・5倍練習して、結果を残せ」と言われ続けた。この日は巨人内海との対決。エースのプライドが求められた。新加入のセペダは3打席凡退。5回無死二、三塁のピンチも、後続を断った。6回も2死三塁でロペスを直球で追い込み、チェンジアップで三振させた。粘りは打線に伝わり、降板直後に勝ち越した。7回を無四球で1失点に抑え、4月25日以来の4勝目。前回登板は5回10失点と散々だっただけに「絶対に勝つという気持ちでした」と胸を張った。【金子航】

 ▼成瀬が7回1失点で今季4勝目。成瀬の巨人戦は10年●○、11年○、12年○○、13年○、14年○の6勝1敗で防御率1・87。交流戦で巨人戦6勝は小林宏(ロッテ)西口(西武)杉内(ソフトバンク)和田(ソフトバンク)の5勝を抜いて最多となり、巨人戦6連勝も小林宏の5連勝を抜きパ・リーグ投手の新記録。