<中日2-1ソフトバンク>◇25日◇ナゴヤドーム

 黒星にも悲愴(ひそう)感はない。ソフトバンク・ポール・オセゲラ投手(30)が今季初登板初先発で7回2失点と好投した。6回まで毎回の8安打を浴び、得点圏に4度進めながら1回と5回の1失点ずつで我慢した。

 「良かったと思うが、もっと良く投げられた。試合に入れば緊張感を忘れた。走者を出した中での2失点は良かったと思う。細川さんがいいリードをしてくれた」

 打者に容易にタイミングを取らせないフォームで打たせて取り、遊ゴロ併殺は2度。バックとの息もピタリ合った。5回には堂上直の打球に食らいつき、頭から転倒。いつもの、がむしゃらな投球を貫いた。

 大量補強の余波で自身の“開幕”は遅れた。スタンリッジにウルフ、サファテ、李大浩と他球団から助っ人を次々と獲得。「補強はあまり知らなかった。空港でサファテに会って分かった」。1月に再来日した際に事態を知ったが、不平は言わず、黙々と自分の調整を通した。加藤投手コーチは「キャンプ、オープン戦と結果を出しながら外国人枠の関係でファーム調整を余儀なくされたけど、ずっと調子は良かった」と評価。ウルフの右肘故障による代役先発は即決だった。

 打線の援護をもらえず敗戦投手になったが、加藤コーチは「次も」とローテーション残留を示唆。摂津とウルフ、寺原は離脱中。連敗のチームでオセゲラの株価は上がった。【押谷謙爾】