<日本ハム2-12ソフトバンク>◇11日◇札幌ドーム
ソフトバンク内川聖一外野手(31)が通算1500安打+猛打賞となる4安打で打線に着火した。プロ2年目の02年に初安打を記録した札幌ドーム。1回に日本ハム浦野からバットを折りながら内野安打で節目を刻むと、さらに3本を重ねた。内川に刺激された打線は19安打12得点で圧勝。7月に入り3度目の首位奪回を果たした。
苦笑いで花束を受け取った。1回。追い込まれた内川は両腕を伸ばして浦野の外角スライダーをバットの先に当て、バキッと粉砕音を残した。打球が勢いをそがれた分、ボテボテの遊撃内野安打で1500安打となった。「記念のバットが折れました。今日は1本も芯に当たってません。そこが目標でもあるんですけどね」。さらに続けた3安打もバットの芯を外れた。
09年のWBC日本代表の宮崎キャンプ。前年に横浜で首位打者を獲得した内川は勇気を振り絞ってイチロー(当時マリナーズ)に質問した。「わざと詰まらせて打つ時はありますか」。答えは「ある」だった。「内角を引っ張ってファウルより、グシャと詰まっても安打になる方が投手は嫌と思う」と返ってきた。バットの芯で打つ固定概念、欲求に縛られず、打撃の自由度が一気に広まった瞬間だった。この日も「気持ち良く打ちたい欲はあるけど、ああいう打球の方がいい」と話し、美しくはなくても理想とする4安打を喜んだ。
打撃マシンに正対して打つことがある。「ボールのどこにバットが入るといいのか細かく見たい」。落合博満氏(現中日GM)も取り入れた練習で、バットの入射角を0・1ミリの単位で探る。「二塁の後ろ、右翼の前に落ちる打球を狙って打てる」のがバロメーターの1つ。2点先制した4回は内川の得意の右前テキサス打から始まった。
試合後は秋山監督から「もうあと3年だな」の言葉で2000安打へと背中を押された。「たどり着ければ…」。ただ個人記録より、重みある1安打にこだわって生きていく。「たくさん打つのもいいけど、チームの勝ちにつながるヒットを多く打ちたい」。
そんな内川に刺激された打線は先発全員19安打12得点で圧勝した。今日12日からは平成唯一の3冠王、松中が代打の切り札として加わる。オリックスから再び首位奪回したチームが大きな波に乗りそうだ。【押谷謙爾】
▼通算1500安打=内川(ソフトバンク)
11日の日本ハム9回戦(札幌ドーム)の1回、浦野から遊撃内野安打を放って達成。プロ野球116人目。初安打は、横浜時代の02年4月24日中日5回戦(札幌ドーム)でギャラードから。



