<日本ハム3-8ソフトバンク>◇2日◇札幌ドーム

 ソフトバンクが、今季リーグ最長5時間27分の死闘を制した。長谷川勇也外野手(29)が延長12回、無死一塁から左中間へ決勝二塁打を放った。不振に陥っていたが4安打2打点と今季3度目の固め打ち。2位オリックスが敗れ、ゲーム差は再び1・5に広がった。8回に死球を受けた本多雄一内野手(29)が、左手薬指を骨折。長期離脱が避けられない事態に、打撃職人の復調は心強い。

 長谷川が珍しく感情を表した。延長12回、勝ち越し打を放った二塁ベース上で2度、大きく右腕を上げた。「これだけの長いゲーム、本当に勝ててよかった」。12回無死一塁。日本ハム8番手矢貫の外角高め直球を捉え、左中間を真っ二つに破った。「高めのボールを自然とたたけた。いい打撃ができました」。久しぶりの納得の当たりだった。この一打で遅ればせながら打線が爆発。打者10人で5点を奪った。

 長谷川は2回にも外角直球を左翼線二塁打にした。「狙った球と違ったのに勝手にたたけた。ああいう安打は久しぶりですね」。8回にも適時打、10回も安打で4安打と一気に固め打ちした。

 「7月はチームに迷惑をかけた」。7月の打率は2割。球宴後、この日の試合前までの10試合では34打数5安打。打率は1割4分7厘だった。打撃職人に狂いが生じ、打順も5番から6番に降格。この日の試合前にはティー打撃で森スコアラーに約50センチの至近距離からティーを上げてもらい、球の見え方をチェック。「分かった!」と復調のきっかけをつかんでいた。

 長谷川は「打てなくてもバットにぶつけたことは1度もない。打てなかったのは自分のせい。その感情はコントロールしないと」と、どんなに不振でもバットに八つ当たりすることはない。自分で考え抜いて、振り込んで自分の打撃を取り戻す。秋山監督は「(長谷川は)ホテルでもバットを持ってウロウロしている。『寝ながら打撃のことを考えている』と言っていた」と明かす。先月22日の北九州でのナイター後も、ヤフオクドームに戻り深夜まで練習を続けた。そんな姿を秋山監督も知っている。

 本多がこの日左手薬指を骨折し、全治6週間。松田、吉村と野手に故障者が続く。投手陣も夏場で疲れを隠せない。今日3日の日本ハム先発は大谷。長谷川は「ワクワクしながら試合に挑んで、絶対に勝ちたい」とヒーローインタビューで、素直な気持ちを表した。

 「今日の試合は勝たんといかんかった」と秋山監督。チームが危機に陥っても、暗雲を振り払うのは打撃職人のバット。優勝への道筋がかげることはない。【石橋隆雄】