日本ハムが、今日19日に国内フリーエージェント(FA)権を取得する宮西尚生投手(29)に「異例」の残留要請を行うことが18日、分かった。1年目から今季まで7年連続シーズン50試合以上登板の功績を評価。中継ぎ投手では04年の札幌ドームへ本拠地移転後2人目、13年から2年契約した武田久以来の複数年契約の提示を検討していることが判明した。球界最高ランクの左のセットアッパーだけに、流出阻止へ全力を挙げて臨む方向性を固めた。

 日本ハムが最大限の誠意を見せ、宮西の引き留めへと動く。球界でも屈指の中継ぎ左腕だけに、流出阻止へ全力を注ぐ方針を固めた。ルーキーイヤーの08年の50試合登板を皮切りに、既に51試合登板の今季も含めて7年連続で年間50試合以上登板の鉄腕。19日に取得する国内FA権を行使するか否か今後、動向を調査。宮西の意向を踏まえた上で、好条件を用意して残留交渉に臨むとみられる。

 球団の中継ぎでは「異例」の複数年契約の提示を視野に入れているもようだ。宮西の今季年俸は1億4000万円(推定)。武田久、武田勝に次ぐ投手陣では3番目の高年俸で、2年以上の契約なら総額は高額となる。だが来季以降も絶対的な必要戦力と判断。04年の札幌ドームへ本拠地移転以降、シビアな球団経営に転換したが、同年後の中継ぎでは武田久以来2人目の複数年契約へ踏み切る方向でオフへ向け、球団内部で最終調整していくようだ。

 今オフのFA市場の隠れた目玉として注目されている。来季でまだ30歳と若く、ニーズが高い左の中継ぎのスペシャリスト。日本ハムでは主にセットアッパーを担って10年、13年は防御率1点台。4点台だった1年目を除けば、すべて3点台未満で、まだ途中だが今季も防御率2・30と圧倒的な安定感と実績を持つ。09、12年にリーグ優勝を支えた豊かな経験値もある。権利行使ならば争奪戦必至の存在だ。

 大きな故障歴もなく18日現在、すべて救援で通算404試合登板、同178ホールドポイントと衰えを見せることなく、円熟味を増している。日本トップクラスのリリーバー。球団幹部は「素晴らしい成績だけではなく、北海道のファンからも愛されているチームの象徴のような選手」と近年の躍進の功労者で、多角的にも評価している。見合う条件を年数と金額のすべてに反映させ、強く慰留へ乗り出す。