<巨人4-5阪神>◇27日◇東京ドーム

 虎のラッキーボーイだ。2年目の金田和之投手(23)が5勝目を挙げた。「絶対に落とせない」というベンチの執念の継投が実り、4番手の23歳右腕に白星が転がり込んだ。

 首脳陣は岩田を6回に降板させると、2点を追う7回から迷わず安藤を投入。これまで1点ビハインドでの登板までしかなかった方程式を、惜しみなくつぎ込んでいった。安藤は1死二塁のピンチを背負うも、橋本を空振り三振、坂本を中飛で無失点で切り抜けた。同点としてから、8回には福原、9回には30日ヤクルト戦(甲子園)に先発予定の金田が投入された。和田監督も「2番手以降が抑えてくれたからゴメスの1発が生まれた」などと、約2分の間に「2番手以降」というフレーズを3度口にして、賛辞を贈った。

 金田は3-3で迎えた9回1イニングを3者凡退。イニングまたぎのスタンバイも整っていた呉昇桓を必要としなかった。打ち取ったのは全て直球だ。ポーカーフェースで立ち向かう。片岡を中飛、橋本はフルカウントから二ゴロに、坂本はわずか1球で遊飛に仕留めた。

 「自分の仕事は0で抑えることなので、よかった。プレッシャーのかかる場面でも、気持ちだけは負けないと思っていった」

 34試合に登板し、いまだ無敗のまま。中西投手コーチも「持っているな。勝ち運がある。そういうところは大事にしていかないとな」と笑った。執念継投の先に、持っているカネヤンが待っていた。【宮崎えり子】