<オリックス4-0ロッテ>◇28日◇ほっともっと神戸

 オリックスの絶対エース金子千尋投手(30)が、ロッテを7回無失点に抑え、リーグトップタイの12勝目を挙げた。防御率、奪三振と合わせ“投手3冠”に立ち、チームも3連勝で貯金は今季最多タイ21で首位ソフトバンクを猛追。金子は、9月2日からのソフトバンクとの直接対決に登板し必勝を期す。

 これがエースだ。ロッテ打線を4回まで無安打に封じるなど7回3安打無失点に抑え2番手佐藤達と交代。先発としての役割を完璧にこなし、ベンチで見守った森脇監督も「全くスキがなかった。何も心配してなかったよ」と笑顔で称賛。それでも金子は「ムダな四球を出したし、球数も多かった。抑えることが一番ですが、そこでよしとすると次につながらない」と、さらに上のレベルの投球を意識する。

 チームはロッテに3連戦3連勝。自身も12勝で同僚西と並んでリーグトップに立った。これで、防御率(1・70)、奪三振(177個)でもトップをいく。「投手3冠」に立った。金子は「今だけでしょ?

 明日、西が勝つと思うので。勝ち星のためだけにやっているわけじゃないので」と関心を示さなかった。勝ち星や防御率よりも、チームの勝利がなによりも欲しいものだからだ。

 この日、金子を中5日で先発させたのは、9月2日からの首位ソフトバンクとの3連戦(ヤフオクドーム)に先発させるためだ。さらに、同16日からは本拠地京セラドーム大阪で再び3連戦があり、そこにも先発する見込みだ。この直接対決6試合が、今季のパ・リーグの覇権を左右する、大一番となる可能性が高い。

 周囲もヒートアップしてきた。首位を争う2チームがコラボして、映像を制作することも決まった。直接対決の6試合で、試合前に球場ビジョンで放映して対戦を盛り上げるというものだ。

 それでも金子は「これまでと違うシーズンを過ごせているとは思いますが、まだそこまで意識していません」と冷静だ。そんな頼もしい男が引っ張るオリックスが、さらにパ・リーグを熱くさせる。