<阪神1-4ヤクルト>◇30日◇甲子園

 小川淳司監督の57歳誕生祝いと、降雨コールド負けの雪辱-。2つの意味を込めてヤクルト雄平外野手(30)は打ちまくった。4回は1死一塁から右中間二塁打でチャンスを広げ、ユウイチの逆転2点適時打を呼んだ。6回は1死三塁から暴投で1点が入ったが、直後に右前打。自身初の5打数5安打で前夜から6打席連続安打と打ちまくった。

 試合前、円陣で監督の誕生日が話題に上った。「勝つつもりでいた。昨日のことは気持ちを切り替えていた。たまたまです。ラッキーもあったけど甘い球をしっかりと打てた」。前夜は10点差から9回に5点差まで詰め寄り、なお無死満塁。自分の打席で激しくなった雨でコールドが宣告され、打てない悔しさをにじませていた。

 左アキレスけん痛でスタメンを欠場し、代打出場に終わった主砲バレンティンの穴を埋めた。代役4番の畠山が逆転口火を切れば、代役左翼のユウイチが逆転打。そして雄平が固め打ち。全員で前夜の借りを返し、誕生日を祝福した。小川監督は「(バレンティンが)いない中でヒットを14本打って対応してくれた」と素直に感謝。これで5位中日とは3ゲーム差となった。9月2日の火曜日からは直接対決が待っている。試合前には「今日、明日勝つことが大前提」と話した。7月11日から沈んだままの最下位から脱出する出口が、ようやく見えてきた。【矢後洋一】