ソフトバンクが、V決戦を前に勝利への「イメージトレーニング」を完了した。今日2日、シーズン最終オリックス戦に勝てば3年ぶりのリーグ制覇が決まる。1日はヤフオクドームで全体練習後、多くの選手がロッカー室で米大リーグのプレーオフ・ワイルドカードゲームをテレビ観戦。劇的な勝利に興奮し、結束ムードが高まった。

 2時間強の練習後、ソフトバンク選手会長の松田宣浩内野手(31)をはじめ、多くの選手がロッカー室のテレビ画面にくぎ付けになっていた。視線の先にあったのは、青木宣親が所属するロイヤルズとアスレチックスによるワイルドカードゲーム。延長12回にロイヤルズが逆転サヨナラ勝ちを収めると、歓声とどよめきが起きた。

 松田は「ええもん見たわ!」と思わず声を上げた。リーグ優勝がかかる大一番を前に、チームのムードが高まった。ワイルドカードゲームは地区シリーズ進出をかけた一発勝負。吉村は「勝つか負けるか。僕たちと同じような試合ですからね」と言った。ソフトバンクも144試合目に勝てば優勝。まさに自分たちの境遇に重なるところがあったのだろう。

 ロイヤルズが1点ビハインドの9回1死から果敢に三盗。すると興奮したサファテが踊り出し、柳田に「お前は明日の試合でやらなくていいぞ」と声をかけた。五十嵐も「まさかあそこで三盗するとは」と驚いた。今季からソフトバンクのロッカー室は四方にイスを並べるよう改修された。メジャースタイルの空間で、メジャーの試合を観戦して一体感が高まった。

 ロイヤルズはホームのカンザスシティーで劇的勝利。吉村も「やっぱりホームが有利なんだと思いました」と、本拠地の優位性を再確認した。ヤフオクドームは現在6連敗中とはいえ、今季ホームで44勝24敗3分けと大幅に勝ち越し。地の利はある。孫正義オーナーも多忙の中で来場するように調整している。

 ここ10試合は1勝9敗という失速で、オリックスの追随を許した。それも勝てば水に流せる。“Vイメトレ”を終えた松田は言った。「今日はもうコメントしません。たまにはいいでしょう。明日のことで頭がいっぱい。沈黙の松田がベールを脱いだということです」。ため込んだエネルギーを、球団史に残る一戦で爆発させる。【大池和幸】<パ・リーグV条件>

 ◆ソフトバンク

 公式戦最終戦となる2日の直接対決に○なら自力で3年ぶり優勝が決定。△か●の場合は4、6日の楽天-オリックス戦(コボスタ宮城)の結果待ち。

 ◆オリックス

 2日のソフトバンク戦に○なら優勝マジック1が再点灯し、残る楽天2試合に連敗しない限り最短4日にも18年ぶりのリーグVが決まる。2日△の場合はマジック2となり、楽天戦1勝1分け以上が必要。