仮想ホークス投手をメッタ打ちや!

 阪神は23日、甲子園で日本シリーズに向けたシート打撃を行った。もっとも目立ったのは4番のマウロ・ゴメス内野手(30)だ。松田から左翼にアーチを架け、好調ぶりを示した。この日、野手陣は投手にカーブのリクエストを出して対戦。摂津、スタンリッジらを想定して主力が快打を連発し、日本一に向けて視界良好だ。

 CSで大活躍したゴメスは、まだ暴れ足りないようだ。快晴の甲子園。この日から実戦に即したメニューを採り入れ、シート打撃が行われた。4番のバットが火を噴いたのは2度目の打席だ。松田が投げた初球を捉え、軽々と左翼席にスタンドイン。明日25日に始まる本番直前に威勢のいい「日本シリーズ予告弾」を放った。

 助っ人も上機嫌でクラブハウスに引き揚げる。「グッド!

 グッド!

 疲れはないよ。CSと同じようにエキサイティングしていきたい」。まさにゴメスのためのCSだった。6試合で8打点を荒稼ぎ。プレーオフ、CSのセ・リーグ最多記録を更新し、打点王らしい威厳があった。15日の巨人戦では本塁打も放った。アドレナリンは出まくったまま、止まる気配がない。

 関川打撃コーチも「バットの出方もいい。練習かもしれないけど、打てれば気分もいいだろう」とうなずいた。助っ人が日本シリーズで本塁打を放てば、85年第3戦のバース以来だ。伝説の最強外国人と肩を並べれば阪神の勝機は広がる。

 ホークス対策も抜かりはない。この日、歳内が大和にスローカーブを連投するなど、投手は緩急を駆使して勝負した。関川コーチも「仮想やからね。抜けるカーブもあるし」と明かす。敵の先発では摂津を筆頭に中田、スタンリッジ、武田が積極的に用いる球種だ。CSから中4日でマートン、上本、大和が好打を連発。打線の勢いは衰えないまま、頂上決戦に挑めそうな予感だ。【酒井俊作】