ソフトバンクがカムバックを果たした大隣憲司投手(29)に対し「感動査定」を検討していることが4日、分かった。難病を克服し、今年7月に1軍復帰。オリックスとのリーグ最終戦で6回無失点の好投で優勝に貢献するなど大一番にことごとく活躍した。シーズン3勝ながら、日本一への貢献度を高く評価。今季年俸6000万円から大幅アップを勝ち取る可能性が出てきた。

 夢と希望、感動を与えた左腕が異例のボーナスを勝ち取る可能性が出てきた。ソフトバンクが大隣に対し、「感動査定」を検討している。

 昨年に発症した国指定の難病「黄色靱帯(じんたい)骨化症」を克服。今年7月に1軍復帰すると、9試合に登板。3勝1敗、防御率1・64の成績を収めた。悪くない数字ではあるが、1年間、先発ローテーションの役割を果たしたわけではない。通常の査定では、年俸アップは難しい。

 しかしシーズン終盤の活躍は、記録以上にめざましいものがあった。勝てば優勝が決まる10月2日のリーグ最終戦。オリックス打線を6回無失点に抑え、3年ぶりのリーグ制覇に貢献。CSファイナルステージでは第1戦に先発し、8回途中まで2失点の好投。さらに中4日の登板間隔で第6戦に起用されると、7回無失点でCS突破の原動力になった。日本シリーズ第3戦でも7回0封。ポストシーズンにフル回転し、2勝を挙げた。

 大一番で無類の勝負強さを発揮。球団はこの姿勢を高く評価した。球団首脳は「頑張った人にはそれなりの評価をしないといけない。いろんな評価がある。絶対に負けてはいけない試合で、強い気持ちを出せるのも評価。彼は素晴らしい人材になった」と絶賛した。

 カムバックしたことで難病に苦しむ人々に希望を与えた。さらに勝負どころの快投はファンに大きな感動を与えた。異例の「査定」で今季の年俸6000万円から大幅アップが現実味を帯びる。今オフの契約更改が注目される。(金額は推定)