秀才右腕に鬼も笑えない!?

 中日福谷浩司投手(23)が24日、名古屋市内で始まった「中部報道展」にゲストとして参加した。開会式のあいさつで今年1年の漢字を「運」と振り返り、来年を「堪」と予想してみせた。なぜ来季が「たえる」?

 「来年は絶対に壁に当たる。その時に逃げるのか、立ち向かうのか。2016年に向けてしっかりとやっていきたい」

 口にした西暦は2015年ではなく2016年。目線はすでに再来年に向いているのだ。

 2年目の今季は中継ぎとして72試合に登板するなど大ブレークした。「絶対に勝たなくちゃいけないという試合に何試合も投げさせてもらった」とシーズン終盤は守護神岩瀬に代わってストッパーも任された。ただ、そこは食うか食われるかの世界。活躍すれば研究もされる。勢いだけでは生き残っていけないと感じた。

 年俸は4倍の4500万円に跳ね上がった。さぞかしウキウキのクリスマスを迎えているかと思いきや、まるで違った。真顔でこう言った。

 「もうオフは終わっている。それくらいの感覚です。選手生命は長くはないですから」

 12月もナゴヤ球場に通い、練習メニューを忠実にこなした。今後は母校・慶大でも練習する予定。福谷の頭には引退までのロードマップが描かれているようだ。【桝井聡】