来季3年ぶりに日本ハムに復帰する田中賢介内野手(33)のスコアボード表記が前回在籍時と同じ「田中賢」となることが27日、分かった。現在、チームに田中姓の選手はいない。通常であれば名字だけの「田中」となるのが一般的だが、球団関係者は「以前と同じ形になると思います」と明かした。ルーキーイヤーから使用する、ファンにもおなじみの表記を再び使用することになりそうだ。

 誰もが見慣れてきた「3文字スタイル」で再出発を図る。球場のスコアボード表記は入団1年目の00年から変わらない。当時は田中幸雄2軍監督(47)が現役選手として在籍。自然な流れで「田中賢」となった。オフにメジャー挑戦を決めた12年までの13年間、一貫してきた表記。ファンからの認知度も抜群だ。

 愛着も、こだわりもある。同姓の大先輩は07年限りで現役を引退したが「田中」への変更はしなかった。当時は「いまさら田中だと自分でも誰だかわからなくなる。ファンに覚えてもらっているというのが1番大きい」と理由を説明。慣れ親しまれた「見た目」を重視した過去と同様に、復帰後も継続するつもりだ。

 17日の入団会見では復帰理由を「ひとことで言うと『愛』」と表現した。「田中賢」の表記継続も、メジャー挑戦前から変わらないチーム愛の1つとも言える。メジャー挑戦の夢を絶ちきり、リスタートを切る来季。常勝球団の象徴だった表記に原点回帰し、3年ぶりの覇権奪回に貢献する。