事件は東京ドームで起きていた。年末恒例の阪神ファンアンケートをインターネットで実施。1898票が集まった。ファンが選ぶ重大ニュースでは1位「CS初制覇」、2位「西岡と福留が激突、西岡は救急搬送」とくしくも敵地東京ドームでの出来事が上位を占めた。開幕カードで悲劇のアクシデントに見舞われた西岡も、最後には歓喜の輪に主役として戻ってきた。

 今年のドラマは東京ドームで起こった。伝統の一戦がもたらす独特の雰囲気は、虎戦士をいやおうなく包む。誰もが背筋が凍る思いをしたのは開幕3戦目の3月30日だ。2回、阪神の守備中、1点を先制され、なおも2死一、二塁で大竹の飛球が二塁上空へ。二塁西岡が背走。右翼福留もチャージする。その瞬間だ。両者は顔面から激突。西岡の体は宙に浮き、後頭部を地面にたたきつけられた。

 横たわったまま、ピクリとも動かない。試合は中断し、場内に救急車が入ってくる。異様な光景に客席は騒然とした。右翼の巨人ファンから自然発生的に「頑張れ!

 西岡」コールが起こる。ストレッチャーに乗せられてグラウンドから消えた。懸命なプレーの代償は大きかった。左右の第1肋骨(ろっこつ)や鼻骨を骨折し、左肩鎖関節脱臼の重傷だった。「阪神ファン、巨人ファンの皆さんの声援は聞こえましたし、本当に心強かった。早くグラウンドでファンの皆さんに恩返しがしたい」。1軍復帰までの約3カ月のリハビリはファンのエールが支えだった。

 その後、プレーを続行した福留も実は重傷だった。鎖骨、肋骨にひびが入り、肺挫傷も併発していた。不振を極め、6月には2軍降格の屈辱も味わった。2人とも順風満帆なシーズンではなかったが意地がある。勝負強さを見せたのは10月のクライマックスシリーズ・ファイナルステージだ。

 投打の歯車がガッチリかみ合い東京ドームで巨人に3連勝。同18日の第4戦で結実する。1回に4点を先制し、2回も1死二塁と攻め立てる。西岡は3ボールから打って出た。高めのボール球をとらえ、右翼席へ。勝負を決める一撃になった。「ケガをして1年間、シーズンを戦っていない。チームとして集大成の試合で1番に起用されて期待に応えたかった」。強打のトップバッターがよみがえった。福留も1回に本塁打を放ち、存在感を示した。傷ついた男たちがみせた不屈の闘志。阪神ファンはその双方を、重大ニュースに選んだ。【酒井俊作】<虎党2014重大ニュース>◆1位

 巨人4連倒!CS初制覇(565票)◆2位

 西岡と福留が激突(363票)◆3位

 タイトル6部門戴冠(221票)◆4位

 鳥谷海外FA宣言(140票)◆5位

 西岡守備妨害で幕(104票)◆6位

 関本巨人倒代打逆転満弾(55票)◆7位

 中島争奪戦に敗れる(50票)◆8位

 新井が退団広島復帰(37票)◆9位

 和田監督の来季続投(33票)◆10位

 「JFK」久保田引退(22票)◆10位

 タイガースガールズ(22票)