ソフトバンク内川聖一外野手(32)が10日、今キャンプで初めて一塁の守備練習を開始した。攻撃のバリエーションを増やすために、鳥越内野守備走塁コーチが発案。工藤公康監督(51)も真摯(しんし)に取り組む主軸の姿勢を絶賛した。日本一連覇の悲願達成へ、「内川一塁」の攻撃オプションを新たに加える。

 内川が借り物のファーストミットを手に、サブグラウンドに立った。鳥越内野守備走塁コーチの転がすボールを捕球し、二塁へ送球。この動作を繰り返した。一塁の守備練習を開始。それは攻撃のバリエーションを増やす秘策だった。提案した同コーチは言う。

 「できると思っている。横浜でもやっていたし、そこそこつかんだと思う。今日は主に送球面をやった。それは問題ない。あとは捕るのを見たい」

 ソフトバンクは昨年、レギュラーの6人が打率3割を記録。中でも外野は内川、柳田、長谷川、中村晃の4人。「内川一塁」の選択肢が加われば、攻撃力を最大限に生かせる。それだけではない。試合終盤の局面を工藤監督は思い描いた。「1点やれない時に、肩の強い選手を入れて、内川を一塁にするというのも、1つの方法としてある。いろんなバリエーションがあったほうがいい。内川は何があっても欠かせない選手だ」。守備固めで打線のキーマンをベンチに下げずにすめば、攻撃力は極力落とさずに戦える。

 サブグラウンドの練習風景を見つめながら、指揮官が絶賛したのは内川の姿勢だった。「あれほどの選手なのに、真摯(しんし)に受け止めて、練習してくれている。素晴らしいね」。主軸が労をいとわずに取り組めばチームに好影響を与える。

 内川が一塁の守備に就いたのは、横浜最終年の10年が最後だ。もともと遊撃手としてプロ入りしたが、送球イップスにより、外野手に転向した。「本当に守るのはこれから。でも楽しかった」。日本一連覇の実現には新たなスパイスがチームに必要。攻撃的なオプションが手に入れば、勝機はさらに高まる。【田口真一郎】

 ▼内川はソフトバンク移籍の11年以降に一塁を守ったことがなく、最後の一塁守備は横浜時代の10年7月8日中日戦。これは右翼から回ってもので、先発一塁手での出場となれば、同年7月4日広島戦が最後。横浜時代の一塁守備は通算240試合(先発は225試合)ある。昨季は出場122試合中、守備に就いたのはすべて左翼手で63試合。右大臀(だいでん)筋肉離れや首痛の影響で守備を回避し、指名打者での出場も58試合あった(ほかに代打1試合)。