<静岡学生野球:日大国際関係3-2常葉大浜松>◇最終週第3日◇14日◇静岡・清水庵原球場

 日大国際関係が延長14回の末に常葉大浜松を下して勝ち点を挙げ、2季ぶりの優勝を決めた。延長14回1死満塁のサヨナラのチャンスに、石川裕也(2年)が強烈な一ゴロを放った。相手一塁手がはじく間に三塁走者が生還した。投げては日下部啓太(1年)が3回からマウンドに立ち、6連続三振を奪うなど好投を見せ勝利に貢献した。

 日大国際関係は粘り強かった。延長14回、先頭打者熊井裕介(3年)が二塁打で出塁。犠打と四球で1死満塁とする。8回に長打を放った6番石川が左打席に立った。カウント2-1の4球目、甘く入った低めのスライダーをたたくと、強烈な打球が一塁手を襲う。グラブからボールがこぼれ、返球よりも早く熊井がホームに生還し、4時間18分に及んだ熱戦に幕を下ろした。石川は「1年からずっと面倒見てもらっている青山さんを勝たせたい一心で打ちました」と勝利の余韻に浸った。

 日大国際関係は初回に先制も、2、3回に続けて失点。7回に長打2本で同点とし、その後も出塁するものの、打線がつながらず嫌な雰囲気が流れた。延長13回には無死満塁のサヨナラの好機に、走塁ミスで台無しにしてしまった。それでも、今年の日大国際関係は顔を上げ続ける。14回表は3人で打ち取り流れを取り戻し、サヨナラ勝ちに導いた。

 最優秀選手賞を獲得した小橋克洋(4年)は昨年の春、秋とリーグ戦で無敗を誇ったチームと比べ「勝っているのは練習量だけ」という。秋季リーグでは試合後、試合終了時刻が遅くなったとしても、グラウンドに戻り、夜9時まで練習を行った。小橋は「誰が言うのでもなく自然と集まった。そこからチームとして戦えるようになった」とリーグを戦いながら成長を重ねていった。

 惜しくもサヨナラ打が記録では敵失となったが、石川は「東海では安打で試合を決めたい」とキッパリ。17日から開幕する、東海選手権に向けて気持ちを高めた。【大野祥一】