きれいさっぱり、そられた顎ひげが、若き右の長距離砲の決意を表していた。2日、第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の山本浩二監督らコーチ陣が沖縄・名護の春季キャンプを視察。熱視線の先には代表候補入りしている日本ハム中田翔内野手(23)の姿があった。「自然と力が入ってしまった」と中田が振り返る緊張のフリー打撃。1スイング目でバットのグリップを折り、アピールの舞台でいきなりの凶兆となってしまったが、すぐに気を取り直し推定140メートルの場外弾など、39スイング中、4本の柵越えを放って持ち前のパワーを見せた。
左足を上げる1本足打法で、力強い弾丸ライナーをレフト方向へ飛ばした。山本監督は「当たれば飛ぶのが、彼の一番の魅力。力を発揮してくれれば相当、期待できる」と、まずまずの評価。代表入りの当落線上にいると自覚している中田にとっては、心強い言葉になった。
山本監督は侍ジャパンの品位を保つため、代表選手の茶髪や長髪、ひげの禁止を明言している。フリー打撃前には中田の顎ひげをグイグイ引っ張り注意喚起。「浩二監督が言うことは絶対やからね。でも(ひげを)そって代表に入れなかったら最悪やろ」と言っていた中田だったが、夜のミーティングを終えると、昼間あったはずの顎ひげは跡形もなく消えていた。「邪魔くさいし、どっちでもいいから。こんなんで新聞に載るの俺くらいやろ。あ、畠山さん(ヤクルト)がいた(笑い)」と、ちゃめっ気たっぷりに笑った中田。これで、黒髪、丸刈り、ひげなしの“優等生侍”が完成。あとは技術をアピールするだけだ。【中島宙恵】



