稀勢の里への期待の大きさは、数字にも表れている。今場所のNHK大相撲中継の関東地区の視聴率(ビデオリサーチ調べ)は9日目に15%を記録し、以後、15・4%、15・5%、16・1%と上昇。琴奨菊が日本出身力士10年ぶりの優勝を果たした初場所の各日を上回る数字には、「横綱候補」への関心の高さがうかがえる。

 ビデオリサーチが集計する、すべてのジャンルを通じての年間の高視聴率番組30傑に、大相撲中継は過去20年間で14度入っている。初場所千秋楽(27・1%)の優勝決定戦で白鵬が朝青龍に勝利した09年までは毎年のようにランクイン。昨年は初場所14日目に22・1%を記録し、6年ぶりに30傑に再登場した。

 30傑に入った14度の内訳は初場所は10度、秋場所は3度、九州場所は史上初の兄弟決定戦を若乃花が制した95年の1度。春場所、夏場所と名古屋場所はまだ入ったことがない。残り2日。稀勢の里の巻き返しがあれば、琴奨菊が初優勝を決めた初場所千秋楽の24%を上回るのではないかと思っている。【桑原亮】