「K-1 WGP 2016」(9月19日、東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)の、60キロ世界最強決定トーナメント1回戦で、ヨハネス・ウルフ(ドイツ)と対戦する世界王者・卜部弘嵩が、インタビューに応じた。

 -まず6月大会を欠場する理由となった顎の負傷について聞かせてください。今はどのような状況、回復具合なのですか?

 卜部 ケガをした直後はしばらく通院してたこともあって、練習はあまりできなかったんですけど、6月の下旬あたりからジムの練習に復帰して、それからは通常通りにやってますね。今は食事も問題なくとれています。

 -SNSでも見たのですが、しばらくは流動食だったんですよね?

 卜部 はい。ただ身体を動かしていないと嫌だったので、すぐに筋トレはやっていました。

 -弘嵩選手が欠場を発表した直後、公開練習でチームドラゴンに行った時、弘嵩選手がジムで練習をしていて驚きました。

 卜部 もうすぐジムには行ってましたね。やっぱり練習をやりたかったし、動きたいっていう気持ちがあったので。その時の自分がやれる事はあると思ったんで、やれる範囲で練習していました。

 -欠場発表会見でも言われていましたが、ケガするまでは非常にいい調整が出来ていたんですよね。

 卜部 はい。かなり良い状態だったと思います。あの時の僕は強かったと思いますよ。

 -だからこそケガをしていても、すぐに身体を動かしたかったのでしょうか?

 卜部 そうですね。3月、4月よりも精神的な部分がすごく良い状態だったし、もちろん自信もありました。試合ができない悔しい気持ちからすぐに動きたいっていうのがありました。

 -世界トーナメントへの出場は前々から決まっていたものですが、改めて1回戦の相手がウルフに決まりました。

 卜部 僕の中ですべてはウルフ戦から始まってるんですよ。ウルフに負けて、テバウに負けて連敗して、ケガで6月大会を欠場して…。そのウルフと1回戦で戦えること、そしてテバウがトーナメントにエントリーしていることが僕にとってすごいモチベーションになってます。

 -例えばウルフに負けていろいろ狂わされたという気持ちはあるんですか?

 卜部 ありますね。ただ2連敗と言っても、僕が戦ってきたウルフとテバウは世界のトップ中のトップなんで、そこで戦っている以上、勝ち負けはしょうがないなという気持ちもあります。なので、今は気持ちを切り替えてどうやってリベンジするか。どうやって倒すかを考えています。

 -1度戦ったことも踏まえてウルフにはどんな印象がありますか?

 卜部 ん〜そうですね…。今の自分だったら問題ないなって感じです。

 -去年11月にタイトルを取ってからの試合は気持ちの作り方やモチベーションの設定が難しい状況だったと思います。でも今はそこで喫した敗北も自分を燃えさせる原動力になっていますか?

 卜部 そう思います。今、気持ち的にはものすごく良い状態だと思います。

 -6月大会でのあいさつでも「こういう時の自分が強いということを知っている」という言葉がありました。何かに対して燃えている時の自分は強いという手応えはありますか?

 卜部 僕は本当に自分が世界最強だと思っているし、今はやってやるよ! という気持ちがすごく強いです。だから今の僕は強いですよ。

 -弘嵩選手はそういった反骨心が自分の原動力になってきたのでしょうか?

 卜部 はい。今までのキャリアを振り返ってみても、こういう時の自分はやっぱり強いなって思います。

 -この世界トーナメントでどんな自分を見せて、優勝したいと思いますか?

 卜部 65キロの世界トーナメントをリングサイドでも見ていたんですけど、王者のゲーオ(・ウィラサクレック)が圧倒的な強さで優勝して、気合が入りましたね。僕もゲーオのようにチャンピオンとしてしっかり強さを見せて、復活する姿を見せたいです。

 -弘嵩選手の復活を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか?

 卜部 9月19日に向けてすごく良い練習が出来ると思っています。過去最強の自分をファンのみなさんに見せれるように、しっかり練習して60キロ王者・卜部弘嵩が強い! というところを見せつけて優勝したいと思っています。

 その他の対戦カードなど問い合わせは、実行委員会=03・6450・5470、http://www.k-1wg.comへ。