「黄金の拳」の臨戦態勢が整った。ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチ(20日、有明コロシアム)に挑むロンドン五輪金メダリストで同級2位村田諒太(31=帝拳)が8日、都内のジムで4回のスパーリングを手応え十分で終え、「すごく良かった。戦う準備はできた」と声を弾ませた。リミットの72・5キロまで体重も残り3キロを切り、対戦する同級1位アッサン・エンダム(フランス)打破が見えてきた。

 明るい表情は「脱よっこいしょ」を体現できたため。スピードに優れるエンダムに対し、追い詰める展開が濃厚。「パンチを打てる体勢を常に取って前に出る」ことを意識して練習してきたが、この日は右ストレートが幾度も相手の顔面をとらえた。「『よっこいしょ、よっこいしょ』してたら(エンダムは)目の前にいなくなる」。わずかなテンポアップこそ勝敗の鍵を握るだけに、感覚をつかんだ前進即豪打で勝利をつかむ。