<全日本:大阪大会>◇7日◇ボディメーカーコロシアム第2競技場◇7試合◇観衆873人

 3冠ヘビー級王者の潮崎豪(33)が挑戦者ゼウス(33)を25分43秒、ムーンサルトプレスで破り初防衛に成功した。

 逆水平で打ち負けた。ブレーンバスターの掛け合いで引っこ抜かれた。リフトアップスラムで場外に放り投げられ、フランケンシュタイナーは受け止められ、コーナーポストにたたきつけられた。

 「想像以上、圧倒されたね。ムーンサルトを出したのも久しぶりで、怖かった。あれを出させたのもゼウスだよね」。試合開始20分過ぎまで、一方的に攻め込まれた試合を苦笑いで振り返った。それでも、勝負どころは逃さない。豪腕ラリアット2連発が相打ちに終わっても3発目で打ち勝った。直後、元プロボクサーのゼウスにカウンターのナックルを食っても、けさ切りチョップ3発から再びラリアットを決め、勝利を呼び込んだ。

 薄氷の初防衛は、観衆の熱狂を呼んだ。相手が大阪出身のゼウスということもり、第2競技場と思えぬ熱気が場内を支配した。

 試合後のマイクパフォーマンスで「ゼウス!

 またやろうぜ!」とリマッチを呼びかけ、同門Xceedの後輩・宮原健斗(25)がリングに駆け上がり、挑戦表明すると「お前とはいつかやんなきゃいけない」と受けて立った。

 「これが、俺が見てた頃の3冠ヘビー戦。三沢さん、小橋さんら四天王のころだよね。でも、あれを再現しようとは思わない。そうじゃなく、あの時の“熱”を俺たちの世代で作り出したいんだ」

 全日本の至宝を腰に巻いたリーダーとして。「大阪のみなさん、見ててください。もっともっと、もっともっと、全日本プロレスはおもしろくなりますから」。勝利のリング上からファンに約束した。