元関脇宝富士の桐山親方(39)の引退相撲が31日、東京・両国国技館で行われ、断髪式では横綱豊昇龍、大関安青錦ら約300人がはさみを入れた。

母の杉山量子さんがはさみを入れると、桐山親方は涙を止められなかった。「奥さんや娘が切る時に、家族あっての力士人生だと思い返すと、我慢しようと思ったけど…。その後、母親が泣いていると聞いて、僕もダメだった。(母が)泣く姿はあまりみたことがない。くるものがありました。(涙腺が)崩壊したというか、止まらなかった」と号泣の理由を明かした。五所川原商高時代は、母が自宅から30分かけて送り迎えをしてくれた。「当時は当たり前で簡単な気持ちでしたが、今思えば30分かけて送り迎えは大変なこと。感謝しかないです」と青春時代を思い返していた。泣きすぎて、右のコンタクトレンズが外れて紛失したという。

翠富士ら、部屋の関取衆からは、土俵上でほおにキスをされるサプライズが相次いだ。「みんな、盛り上がってくれたのでうれしかった。関取衆がほっぺにチューなんてないでしょう。その分、稽古をつけます」と後輩たちにも感謝した。

今後は、伊勢ケ浜部屋の部屋付き親方として、後進の指導にあたっていく。「コツコツと真面目にやる力士を育てたい」と抱負を述べた。【佐々木一郎】